『しんどいを滅却すれば日々もまた涼し』2021年08月05日 10時30分30秒

<暑い夏の落語四題>

暑い!こう暑いと、寝っ転がって落語でも聴くほか、手が無い。

【桂枝雀さんのマクラ】
「暑いですねぇ、〇〇地方では38度を超えたそうですよ、体温より暑いわけでございますからな、こうなると、抱き合っているほうが涼しい、ということになりますな。もっとも、抱き合っていることによる、相乗効果による熱、というものも発生するわけでございますが」

【暑いもの代表のマクラ】
蜀山人の狂歌に、こういうのがございます。
『西日さす 九尺二間に 太っちょの 背なで児が泣く 飯が焦げつく』
風の通らない路地の奥、西日がカンカン当たる六畳一間の長屋で、太ったおかみさんが、泣きじゃくる子供を背負って、飯を炊いている、その飯が焦げついている、世の中にこれほど暑い状況はございません。

【船徳】
四万六千日、暑い盛りでございます。
「君、こう暑くっちゃ、人間の安倍川餅が出来ちゃうよ。この先に僕の知っている船宿がある、そこから舟で行こう。水の上をスーッ、と行く、涼しいよ」
「僕が舟を嫌いなの知ってるだろ、水の上をスーッと行きゃいいけど、水の下をスーッと」
「そんなこたぁないよ」

【あくび指南】
「では、夏のあくびをご指南いたしましょう、もやってある舟で揺れている、という体で、キセルをこう持って・・・
『船頭さん、舟を上手へやっておくれ、これから堀ぃ上がって一杯やって、夜は吉原(なか)へでも行って、新造(しんぞ=遊女)でも買って遊ぼうか。舟もいいが、一日乗ってると、退屈で、退屈で・・・ふぁ~~、ならない』
と、な」
「(連れの友達に)みろ、やさしくねえじゃねえか」

しんどい暑さの日々を落語で滅却すれば涼しくなる、と昔から言い伝えられている・・・(?)

そこで本日の一言、
『しんどいを滅却すれば日々もまた涼し』

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