トロンボーン吹きの憂鬱 by ジェイワン梶原とキャバレーサウンドメーカーズ

＜ライフライン五者・井戸端会議＞

居合わせ：電気、水、ガス、交通、ネット

電気：おう、水よ、今年は夏の長雨のせいか、ダムでのおめえの不足ってえ話は、今んところ聞かねえな。
水：電気か、お前さんも、この天気じゃ、クーラーの電力消費でダウン、ってえ様子はねえな。
ガス：これはこれは、ご両人、ご機嫌よろしいようでけっこうですな。
電気：おう、ガスか。お前さんも、俺が飯を炊いたり、調理をしたりするってんで、ここんとこ、あんまり話題にゃならねえようだな。
ガス：ええ、かえってさびしいぐらいで。あ、交通さん、こちらへ。あなたも最近はお暇なようで。
交通：そうなんですよ、コロナ以来、ＧｏＴｏと言ってたのが、今じゃＧａＴａガタ・キャンペーン、ってな具合で。
電気：うまいこと言わなくったっていいよ。
ネット：えー、皆さん、こんち、お日柄もいいようで、なによりです。
電気：水よ、誰だい、あいつは？
水：知らねえのかい、ネットって言って、最近俺らライフラインの一員になった、新参者さ。
電気：ふーん、そうなんだ。おい、ネットさんよ、こっちへ来ねえな。なんかここんとこ、えらい人気らしいじゃねえか。
ネット：はい、おかげさんで。以前から居たんですが、最近はスマホや、オンライン会議やらで、休む暇もないぐらいで、有り難いことで。
電気：そりゃ、いい心掛けだ。お前は俺がなきゃ、存在そのものが無えんだからな。
ネット：（へっ、太てぇツラすんじゃねえや）、はい、感謝申し上げます。
水：なにしろ人間ってのは、俺らはライフライン、つまり命綱なのに、金さえ払や、いくらでも手に入えるって思って、有り難味も感じていない。
ネット：へへ、それは大丈夫。あなた方は具体的な存在でしょ、その点私は、そこらじゅうを飛んでるのに見えない存在。
ガス：だから？
ネット：つまり、一般人は対応が出来ない、そのくせ無いと不安に感じる、だからいくらでも金を注ぎ込む、チョロいもんだ。
電気：おうネット、調子に乗るんじゃねえぞ、ちょっとでも止まってみろ、ボロカスに言われて悪者扱いにされらぁ。
ネット：なに、最近はブルートゥースという子分まで出来て益々大忙しで、じゃ、皆さん、失礼。
電気：なんか、気に食わねえ新参野郎だ。
水：ま、ちょっとでも何かありゃ、それなりの人間のしっぺ返しを食うさ。
電気：どういうことだ？
水：あいつはネット、つまり網。昔から言うだろ、「天網恢々疎にして漏らさず」

そこでライフラインへの一言、
『♪いけ、みんなの生活　まもるため』