『そこに I (アイ)はあるんか~』2021年11月04日 11時30分30秒

<小三治さんから学ぶこと>

10月7日に柳家小三治さんが亡くなり、ここ数日「個人を偲ぶ」的な放送がNHKで流れていた。

小三治さんの落語で知られているのが、マクラ。落語で用いられる、本編導入への前語りのこと。

普通は5分ぐらいだが、小三治さんの場合は20分以上、長いときは40分のときもあったという。

確かに、本になった「ま・く・ら」を読むと、これじゃ本編をやらないまま終りそう、と思うぐらい長い。

放送の中で、林家正蔵氏に語った言葉に「笑わせようとか思っちゃダメ、”笑ってしまう”、でなきゃ」というのが。

そう聞くと、なるほど、現在の落語や漫才が必死で笑わせようとしている、というのが透けて見えてくる。

志ん生さんの「淀五郎」の中でも、名優・中村仲蔵が、淀五郎の塩冶判官の所作を見て諭す場面がある。

「褒めてもらおうと思っちゃいけないんだ、良きゃ客は褒めるんだ」と、何よりも欲が見え見えだと見抜く。

そういえば、今の音楽界はどうだろうか。感動させようとか、すごいと思われようとか、そんな下心はないか。

楽器とか、音楽理論とかばかりに気を取られて、音楽の本質、自分そのもの、を置き去りにしていないか、要反省。

そこで本日の一言、
『そこに I (アイ)はあるんか~』