トロンボーン吹きの憂鬱 by ジェイワン梶原とキャバレーサウンドメーカーズ

＜犯人はお前だ！＞

刑事：やったのはお前だろ、そろそろ白状して楽になったらどうだ。
犯人：刑事さん、俺じゃありませんよ、何度言や、わかるんです。
刑事：じゃ、トロンボーン奏者のＡさんが、本番中に音をミスったのは、お前のせいじゃない、そう言い張るんだな。
犯人：当り前ですよ、俺に何が出来るってんてす？
刑事：じゃ訊くが、お前はＡさんの夕食の席にいたな。
犯人：そりゃいますよ、必ずいるのが俺の仕事ですから。
刑事：その席でお前は、Ａさんの演奏にかかわる重大な罪を犯している。
犯人：え、俺はただ、いつもの通りの仕事をしただけで。
刑事：それだよ、お前はそのときＡさんの唇に危害を加えたんだ。
犯人：そんな、俺はただ普通のことをしただけなのに。
刑事：お前は、浸透圧、ってのを知ってるだろう、水分は濃度の高い方へ移る、お前は、自分でも知らないうちにＡさんの唇の水分を奪っていたんだ。
犯人：え、そうなのか、し、知らなかった・・・。

「昨日さ、演奏前にお客さんが、夕飯奢るぜ、って言うんで行ったら、天ぷらつゆの醤油や、刺身醤油で、唇がベロベロ、いやあ、今度から演奏前の食事には気をつけないと」

そこで本日の一言、
『醤油うこととは　つゆ知らず』