トロンボーン吹きの憂鬱 by ジェイワン梶原とキャバレーサウンドメーカーズ

＜ほっこりとしたステージ＞

本番前、定刻になるのを待っていると、最前席のおばあさんが話しかけてきた、
「あんた、幾つね、あ、そう、若いねぇ」
「あんたのシャツ、色がいいねぇ、いい青色しとる」
「あんた、どこから来とると？あらそう、けっこう遠いね」
「今の若いひとの歌はちっとも分からん、古い歌はいいねえ」

本番が始まると、そのおばあさんはどの曲でも、終わったときだけでなく、間奏のときにも目立たないように拍手をしてくれる。

有り難いことだと思いながらすすめると、中盤からはじっと目を閉じて聴いていたが、終盤には完全に目を閉じて・・・よく見ると眠っていた。

１時間のステージが終ると、スッキリした様子で目を覚まし、「ありがとう、また来るよ」と、隣りの旦那さんに手を取られて部屋を出て行った。

こういうのだろうな、演奏者冥利に尽きる、というのは・・・。

そこで本日の一言、
『アリア・誰も寝てはならぬ・・・ことはない』

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＜給与デジタルマネー支払い？＞

初めてデジタルマネー決済というのを、ネットで買い物をするときに使った、お金を払った実感がないまま口座の金が減っている。

その昔は、一ヶ月の労働対価の給料袋には、お札と小銭の現金が入っていて、それを、もったいぶった上司から手渡しされていた。

現金主義バンドマンが受けた、ショクナイの支払いがとっぱらい（当日現金払い）から口座振り込みになった際の衝撃は大きかった。

それが、現金払いから口座振込みに、そしてついに来年には給与デジタルマネー支払いが解禁される、というニュースが流れている。

それで労働の喜びを感じるのか、など小賢しいことは言わない、それが時代の流れなら、それに乗るも乗らぬも、現代社会の裁量。

それこそ現金崇拝バンドマンには関係ないことだが、”労働”と”対価”の距離が遠ざかっていく、そんな気がしないでもない。

そこで本日の一言、
『対価の火事』

＜華大風漫才・暗号頼り＞

Ａ：先日のブログの絵で、「自分で作る数字の暗号」て、あったね。
Ｂ：そうそう、最近年寄りを狙った詐欺が多かけん、通帳とかのパスワードば、自分にしか分からんようにしときなさい、てこっですたい。
Ａ：ばってん、パスードて、数字だけじゃなかでしょ、アルファベットもあるし。
Ｂ：よう気がつきんしゃった、そこでわたくし、アルファベットも考えました。
Ａ：ほう、どんな風に？
Ｂ：やっぱ、年寄りにも分かるごつ、漢字がよかと思て、Ａから順に、
『栄、美、粋、泥、胃、笛、字、淵、哀、税、軽、得、笑、炎、応、皮、急、或、末、亭、有、部、陀、掛、賄、絶』、どげんでしょうか。
Ａ：ちょっと待って、ところどころ、分からんのがあるんやけど。
Ｂ：と、いいますと？
Ａ：笛はＦ、末はＳ、の逆さやろと思うけど、Ｈがなんで淵なん。
Ｂ：淵、つまりエッジ、エイチ、それぐらい分かってもらわんと。
Ａ：全然分からんよ、それと、なんで、Ｍが笑で、Ｘが掛なん。
Ｂ：笑は、笑む、やけんＭ、それと、掛け算のマークはＸ、やけん、掛。
Ａ：その暗号で年寄りの人たちが分かるやろか、たとえば、
「栄美粋泥　天針天天年交月王針日」、
て書く、て言うことやろ。
Ｂ：それ、ナンなんですか？
Ａ：だけん、あなたの暗号で作った、ＡＢＣＤ　２０２２年６月３０日、たい。
Ｂ：あら～、暗号に過多に頼ると、分かりにっかねぇ、そんなら、横にパスワードば書いとったら、どげんやろか。
Ａ：そしたらナンもならんたい、もういいよ。

そこで本日の一言、
『♪暗号頼りは　過多頼り～』

参考：都はるみ「アンコ椿は恋の花」　♪アンコ便りは 片便り～