トロンボーン吹きの憂鬱 by ジェイワン梶原とキャバレーサウンドメーカーズ

前回の「呼吸しないこと、楽器を吹かないこと」、もう一つ「スライドの支柱を持つな」、の謎解きをしてみた。

「呼吸しないこと」
呼吸には「無意識呼吸」と「意識呼吸」がある、と（勝手に）思っている。無意識～とは寝ているときもやっている普段の呼吸。一方、意識～は楽器を吹くときの呼吸で、深いブレスで演奏に合わせて調節する。「呼吸しないこと」とは、演奏の為にならない呼吸はするな、ということか？

「楽器を吹かないこと」
楽器が鳴る仕組みは、マウスピースで唇が震えてその振動が楽器に伝わって楽器が鳴る、つまり息が楽器の中を駆け巡っているわけではない。「吹く」という言葉が、あたかも「いっぱい息を吹き込んで楽器を鳴らす」と勘違いされている、特に教育者によって、ということか？

「スライドの支柱を持つな」
スライドの支柱をつまんだり、激しい場合は親指と人差し指・中指で握り締めているのを見かける。トロンボーンのスライドワークは、指、手首、肘、肩の、柔軟な連携プレーで成り立っている。その大元の指がガチガチでは、滑らか且つ素早く的確な動きが出来ない、ということか？

ほんの基礎的なことをブラスバンドなどで初心者が学ぶ機会がなかったとしたら、後々苦労する、ということを自分自身でもイヤというほど体験してきた。教育者の方には「子供にはどうせかわりゃせんから」などということのないよう願うばかり。