トロンボーン吹きの憂鬱 by ジェイワン梶原とキャバレーサウンドメーカーズ

４人のトロンボーン奏者の会話。

Ａ：「私のマウスピース、くちびるが当たる部分にスジが数本入れてある」
Ｂ：「へー、変わってる、ナンのため？」
Ａ：「だから、すべり止め」
Ｂ：「へー、すべり止め？」
Ａ：「だって、すべらないほうがいいでしょう」
Ｂ：「えー、私はすべらないとだめ」
Ｃ：「あ、私も、すべらないとダメ」
Ｄ：「私も、すべるように、マウスピースをなめまくる」

Ａ：（げっ、数十年トロンボーンを吹いてきて、誰もがマウスピースがすべるのはイヤなもの、と思ってきたのに、ここでは１対３、ということは、自分のほうが異常！？）

A：（何かの本で、サッチモ（ルイ・アームストロング）がすべり止めにマウスピースにキズを付けていた、という話が頭にあって、金管奏者はすべからくすべるのイヤ派と思っていたが。）

数日後、別のトロンボーン奏者たちとその話したら、
「へー、そんな人もいるんだ、私もすべらないほうがいい」

Ａ：（よかった～、すべるのイヤ派は自分一人じゃなかった。それにしても、マウスピースの好みは人それぞれ、自分の考え、やり方を人に強要しちゃイカン、ということ、だなぁ。)