トロンボーン吹きの憂鬱 by キャバレーサウンドメーカーズ

先代の小さんさんの小噺に、
「あ、むこうから来る人、知ってる人だ、誰だったっけ。見覚えはあるんだけどな～。あ、こっち見てニコニコ笑ってる・・・・・すみません、お見それしましたが、どちら様でしたっけ？」
「バカ、お前の兄貴だ！！」

同じようなことを、ここ最近、幾度となく経験している。一ヶ月前の稲刈りのときにも、稲刈りのメンバーの一人の方が、
「あなた、門司のほうにも、お出かけになるんですね」
「はあ・・・・？ええ、たまには・・・」
「こないだも、門司のお風呂で・・・」
「あ、あなた、門司の大衆浴場でジッと私を見ていた方！」

逆もある。先日のライブのとき、中年の女性がこちらを見てにこやかに笑っている。また失礼をしてはいけない、ここは先手を打って、とばかり、
「すみません、お見それしましたが、どちらでお目にかかりましたっけ」
「いえ、お会いするのは、今日が初めてですけど」

これは、先天的な顔認識能力の欠如なのか、老人性の物忘れなのか、それとも、単なるズボラな性格によるものなのか。どちらにしても、相手の方は気分が悪いだろうが、こちらはさらに気が重い。

とはいえ、今さら脳の活性化を図るにも手遅れだし、歳はとるばかりだし、ズボラな性格は直しようがないし。ライブのお客様には申し訳ないが「えーっと、どなたでしたっけ・・・？」、で切り抜けるしかないか・・・。