トロンボーン吹きの憂鬱 by キャバレーサウンドメーカーズ

＜夏の終わりの二匹の蚊の会話＞

Ａ：どうでぇこのごろは、え、元気してるか。
Ｂ：なんともはや、この暑さじゃ、元気なわけねえだろ。
Ａ：確かに、今年の夏は尋常じゃないらしいからな。
Ｂ：食欲はねえし、羽根が思うように動かねえし。
Ａ：こうやって待ってても人が外に出て来ないから、よけい始末が悪い。
Ｂ：あ、人が来た、と思って近付いても、すぐに覚られちまうしな。
Ａ：いい方法があるんだ、雨の日に雨音にまぎれて近付くんだ。
Ｂ：なるほどな、それで。
Ａ：そして、ふくらはぎの裏とか、手の届かない処を狙う、ただし、雨に濡れると、血が固まってヤバイことになる。
Ｂ：え、どうしてだ。
Ａ：昔から言うだろ、「雨降って血固まる」ってな。
Ｂ：冗談言ってんじゃねえよ、この野郎。
Ａ：ハハハ・・・。

そして二匹の蚊はどこへともなく飛び去った・・・。

そこで本日のひと言、
『痒いところに手が届かない』

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