トロンボーン吹きの憂鬱 by キャバレーサウンドメーカーズ

＜落語・ＭＣ熊さん＞

熊：「隠居、いるかい、ちょっと相談があって来たんだが」
隠：「おや、熊さんか、なんだい、相談てのは」
熊：「うちのバンドじゃライブのとき、メンバーが順番にMCをやることになってて、次が俺の番なんだが、何をしゃべりゃいいのか、さっぱりわからねえ」
隠：「ほう、そりゃ大役だな、で、何か考えてることはないのかい」
熊：「だからよ、とりあえず、昨日は何をつまみに酒を飲んだ、とか」
隠：「う～ん、それでも悪いことはないが、もう少しバンド全体のことを考えたほうがいいな」
熊：「バンド全体のこと、ってえと」
隠：「まず、バンドの紹介、メンバーの紹介、曲の紹介、は押さえといたほうがいいな」
熊：「するってえと、全員から履歴書を集めて、ウィキペディアで曲のリストを作って」
隠：「いや、あまり過剰な情報は邪魔になるし、ライブのテンポも悪くなる」
熊：「じゃ、どうすんだよ」
隠：「かいつまんで紹介するぐらいにして、ＭＣに大切なのはライブ全体の雰囲気をお客様に楽しんでもらうこと、その根本を押さえておけば、あとは熊さんの個性を出してもいいんじゃないかな」
熊：「そうかい、じゃ決まった」
隠：「ほう、どうするんだ」
熊：「今日は何をつまみに飲むか話そう」

そこで本日の一言、
『下手のＭＣ休むに似たり』

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