トロンボーン吹きの憂鬱 by キャバレーサウンドメーカーズ

＜改作落語「飼い犬の災難」＞

急に涼しくなりまして、こうなると温かいおでん、なんてのが食べたくなるようで・・・。

Ａ：昨日はよく飲んだな。
Ｂ：ああ、バンマスの家で酒が飲み放題だってんでな、ところでバンマスは？
Ａ：朝湯に行くってさっき出て行った、で、帰ってからおでん食べるから用意しとけって。
Ｂ：おでんって、これか、この卵、味が沁みてて美味そうだな、こっちの丸天も、厚揚げも、どれか一つ食ってもわからないよな、一個食っちまおうか。
Ａ：バカ言え、どれも一種類ずつしかないんだから、バレちまう。
Ｂ：なあに、初めから無かったと思えば、バレるもんか、この卵、頂きま～す。
Ａ：あ、あ、お前、俺が食いたかったのに、じゃおれはこの丸天を。
Ｂ：おい、じゃ俺は、この厚揚げを。
Ａ：・・・・・大変だ、結局全部食っちまった、どうしよう。
Ｂ：どうしようって、そうだ、バンマスんとこのワンちゃんが食べたことにしよう、あ、バンマスが帰って来た、バンマス、すみません、実はおでんのことですが。
バ：ん、楽しみにしてたんだが、どうした。
Ａ：実は、二人で部屋の掃除をしているまに、ワンちゃんが食べてしまって、すみません。
Ｂ：そうなんです、台所に戻ってみたら、ワンちゃんが皿の上のおでんをバクパクと。
バ：どれ、見せてみろ・・・・ウソつけ、お前たちが食ったんだ。
Ａ：いえ、確かにワンちゃんが。
バ：バカ、犬がカラシを付けて食うか！

そこで本日のひと言、
『犬も歩けば　謀略に当たる』

参考：古典落語「猫の災難」

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