以前いた借家の来客 ― 2019年10月14日 11時50分50秒
<以前いた借家>
一戸建て。借家料は月7500円。風呂無し、汲み取りトイレ、雨漏りする屋根、朽ち果てた塀、台所は土間でカマド。近代的な住宅街の中の古い家のせいか、来客が多かった。
<来客たち>
いたちが来た。夜中、子供が飼っていたハムスターがかごの中で騒ぐ。何かと行ってみると、玄関土間の狭い水はけ口に、いたちが外から顔を半分突っ込んで狙っていた。
カミキリムシが来た。窓を開けると、窓の外枠に、白と黒のツートンカラーの水玉模様、長いヒゲ(触角?)、屈強な足、でへばりついている。無理に剥がそうとすると、ギィ~、ギィ~という音がした。
蛇が来た。朝日を浴びて、床板を並べて貼った手作りの塀の片隅に、静かにわだかまっていた。
ふてぶてしいノラ猫が来た。毎年のように仔猫を産むので、「親」(そのまんま)と呼んでいた。時々家に入り込んで、イスの上にチョコンと座っていた。
木には蓑虫(みのむし)がぶら下がっていた。以前には、たくさん集めて、中の虫を出して、蓑を縫い合わせてバッグを作る、ということが流行したこともあった。
<そして今、鉄筋集合住宅>
(人付き合いが悪いの知ってか、昔のあんな客が来ることはなくなった、こちらは別にイヤがってもいないんだが・・・)

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