落語「熊さんステイホームする」2020年05月04日 11時45分45秒

熊:「ちわ、大家さん、泊まりに来たぜ、よろしく」
大:「おや熊さん、泊まりに来たって、そんな荷物持って、どうしたんだ」
熊:「だって今週はホームステイ週間だってえから、大家さんちにホームステイ」
大「おいおい、ホームステイじゃない、ステイホーム、つまり外出を控えて家にいましょう、ってことだ」
熊:「あ、そうかい。でも、せっかくだから、お茶でも、出したらどうだ」
大:「おやおや。ところで、熊さんは不要不急の外出なんてのは」
熊:「ちゃんと家にいるよ、おかげで腹がスリーパッドだ」
大:「スリーパッド?シックスじゃなくてスリー、ってのは」
熊:「腹が横に三つに、割れてる」
大:「そりゃ、三段腹ってんだ、運動不足はよくないな。なんか、顔にシワが増えてないか」
熊:「ああ、顔は、中島みゆきの『糸』、状態だ」
大:「なんだそれは」
熊:「『縦のシワはみけん、横のシワはひたい』、だ」
大:「深刻になり過ぎるのもよくないぞ。大切なのは手洗いだ、やってるか」
熊:「もちろん。ついでにカミさんに、もうパチンコも浮気もやめます、って謝って」
大:「そりゃ、足も洗ってんだな。栄養はキチンと摂ってるか」
熊:「それそれ、今はなんか、乳母車で出前を届けてくれるらしいな」
大:「乳母車で出前?そりゃ、ウーバーイーツ、って料理宅配サービスのことだ」
熊:「そうかい。ところで、お茶はまだかい」
大:「お茶なら、あそこのちゃぶ台に出てる、あそこまでちょうど2mだ」
熊:「ずい分離れてるな、なんでだい」
大:「これがホントの、ソー茶ル・ディスタンス」

落語「続・熊さんステイホームする」2020年05月07日 10時00分00秒

落語「続・熊さんステイホームする」

大:「うちに泊まり込んで、もう三日になるんだがなぁ、熊さん」
熊:「いいねぇ、ホームステイ週間。そのうえ飯まで頂いちまって、は~有難てぇ」
大:「やれやれ、感じないな、とんだステイホーム週間だ」
熊:「ところで、大家さんとこの、床の間の化け物、ありゃなんです」
大:「化け物じゃない、掛け物。あれは唐時代の詩人の、杜甫の『春望』、五言律詩だ」
熊:「トホホの辛抱の、ご飯でっせ?ふーん、で、ナンて書いてあるんです」
大:「前半は、戦いで長安の都が荒れ果てた様子を詠んでいるな、一行目は、よく知られている、『国破れて山河在り』、というやつだ」
熊:「花とか鳥ってのがあるけど、あれは」
大:「本来は楽しい花も鳥も、今は涙が出て心が痛む、と書いてある」
熊:「へー、じゃ後半は」
大:「戦いが長く続き、やっと届く家族の手紙は宝物、頭髪も白く短くなり、冠を留めるかんざしもさせない、だな」
熊:「ふーん。なんだか、俺んちのコロナの状況に似てるな」
大:「熊さんちの?どこがだ」
熊:「コロナ騒動がもう三ヶ月続いてる、コロナ三月に連なり、だ」
大:「ほう、それから」
熊:「外出が出来ねえから、孫とのラインは万金にあたる」
大:「ふーん、それから」
熊:「坊主頭で白髪が増えて、帽子を被ってもポロッと落ちる」
大:「おやおや。で、前半はどうなんだ」
熊:「一行目が、俺んちの状況だ」
大:「一行目?『国破れて山河在り』、のどこがだ」
熊:「うちは、障子が、『紙破れて桟(さん)ばかり』」

やれやれ、コロナのおかげで・・・2020年05月11日 10時45分45秒

かかりつけの医者との定期面談で、
「大変な世の中ですが、どうですか、体調管理してますか」
「はい、景気は下がるし、仕事は減るし、気温は上がるし、湿度は下がる、体重増えるし、ガソリン下がる、で」
「???」
(やれやれ、コロナのおかげで、言いにくい報告をなんとか済ませた)

暇にまかせて本棚を買い換え、古い本棚2個を大型ゴミ処理場に持ち込んだ。受付での車両重量と廃棄後の重量差で、料金を支払う。回収依頼すると1400円のところ、300円ですんだ。
(やれんれ、コロナのおかげで、差額の1100円で酒が買える)

着古したTシャツで、コロナ用のマスクを作っている。耳ゴムも使わずマスク形に切り取るだけだが、延びがいいし見映えも悪くない。399円の古Tシャツから8枚取れる。
(やれやれ、コロナのおかげで、やっと新しいTシャツに買い換えられる)

(しかし、よく考えると、コロナのおかげ、ではない気もするが・・・)

名探偵、難事件を解決する2020年05月14日 10時00分00秒

<焼肉殺人事件>
焼肉を作ろうと、肉にパラパラと塩を振り、次に、コショウのビンのフタをクルクルと回して取って、パッ、とたんに、コショウがドパッ!えっ、コショウを使った焼肉殺人事件か?
・・・そうだ、このビンのフタは、ただ撥ね上げるだけ、のやつだ、よし、事件解決。

<食品窃盗事件>
タイマーの完了ベルが鳴ったので、電子レンジのドアを開けると、中に何も入っていない、えっ、電子レンジ食品窃盗事件か?
・・・そうだ、あれは作っていたカップ麺の3分タイマーの音だ、よし、事件解決。

<行方不明事件>
噛んでいたガムを捨てようとティッシュにパッと吐いたが、ガムが出て来ない、えっ、ガム行方不明事件か?
・・・そうだ、マスクをしたままだ、よし、事件解決。

<謎の異臭事件>
外出しようと、Tシャツで作った手作りマスクをかけると、何か異臭がする、これも、これも、これもだ、えっ、Tシャツ謎の異臭事件か?
・・・そうだ、そういえば、Tシャツがまだ生がわきだった、よし、事件解決。

<怪奇現象事件>
今朝、体重計の目盛りが、故障でもないのに人生で最重量Kgを指した、えっ体重計の怪奇現象事件か?
・・・そうだ、ここ2ヶ月、ほとんど運動してないんだ、よし、事件解決。

鋭い観察力によって、すべての難事件は解決した。さて、次はどんな事件が待っているやら、楽しみだ・・・。

バンドマンに特化した病気一覧2020年05月18日 10時35分35秒

新型コロナが蔓延していますが、以下のようなバンドマンに特化した病気もあるので注意が必要です。

【 E潰瘍 】
キーがE(♯シャープ4つ)の楽譜に過剰に反応する病気。悪化すると、天丼、うな丼、の「丼」を見ても胃が痛む。

【 色ノーゼ 】
男性バンドマン特有の病気で、演奏中にフメン(譜面)よりフジン(婦人)で頭がいっぱいになる。バンドマン生活に慣れが生じたころに発症する。

【 聴かんし炎 】
周りの音を聴かないメンバーに対し、バンマスが(お前ら聴かんし~)と悶々とする病気。咳とブツブツが出るのが特徴。

【 ケツマクリ炎 】
後先を考えずに、「こんなバンドやめてやる!」とケツをまくる病気。症状は興奮で目が充血する。薬で収まるが、すぐ後悔するという副作用がある。

【 ツーフー 】
ツーフー(「普通」のバンド用語)の生活が出来なくなる病気。不景気風が吹くと懐に激痛が走る。

【 女房ケツ石 】
石のように硬い妻の尻に敷かれて起こる病気。七転八倒の痛みが生じる。

【 富民症 】
自分は貧民だ、世間は富民だ、と落ち込んで夜眠れなくなる病気。バンドマンは夜仕事をして昼寝るので自覚症状がない。

このほかにもバンドマンに特化したさまざまな病気があります。バンドマンの皆様、くれぐれも気を付けてこの災禍を乗り切りましょう。

「運動習慣」週間2020年05月21日 10時50分50秒

体重の増加の自己嫌悪感を払拭するため、週を通して運動を習慣づけしようと考えた。

1.短距離走歩行
スーパーでの買い物中、かかとを上げ、つま先で歩く。誰にも見られないで出来る運動・・・ただし、後ろからカミさんが「変な歩き方しているの、すぐわかる」

2.ダンベル運動
買い物が済んだら、右左の手で交互に買い物カゴを上げ下げする運動・・・ただし、買う量が少ない日はあまり効果なし。

3.登頂訓練
住んでいる建物の階段を屋上6階まで、ひざ痛予防に気を使いつつ上る運動。・・・ただし、住民に”エレベーターの横で何しとるの”、と変な目で見られる。

4.投球練習
仰向けにねて、天井に向かってゴムボールを投げ、天井に「トン」と、軽く当てる。届かない、「ドンッ」、はNG。”一人キャッチボール”運動・・・ただし、ちょっと子供っぽい。

5.ダーツのたび
夕食前に、ダーツ(おもちゃの)を投げ、ど真ん中に命中したら夕食にありつける。集中と粘り強さの運動・・・ただし、たいてい空腹が粘りに勝ち、ダーツのたびに「今日のところは・・・」

結局、なかなか体重は落ちない・・・

<SF小説>【ある テレビ評論家の憂鬱】2020年05月25日 10時00分00秒

<SF小説> 【ある テレビ評論家の憂鬱 】

あの災禍から10年経った今、世界は大きく変わった。そのことをテレビの番組は如実に示している。そのいくつかを見てみると・・・。

『 マツコちゃんに褒められる 』
ステイホームで何もしないでボーッと生きていると、マツコちゃんに褒められますよ、「ボーッと生きてんじゃね (^-^) V」、のナレーションでお馴染み、政府推奨番組。司会はマツコ・ティーレックス。

『 キリン・アサヒ・サッポロ・サントリーがくる 』
ビール戦国時代劇、「家飲み」消費者を獲得する為の、各ビール会社の熾烈な戦いを描いた大河ドラマ。

『 それだけやって昇天会 』
口だけ達者な評論家たちがカラーの着物で座布団に座り、昇天した政治家の愚策を糾弾する番組。司会は春風亭辛坊、コマーシャルソングはおなじみ「♪政運~」。

『 海運なんでも艦艇団 』
海賊が横行する世界中の海で、「いい仕事してますね~」と言われるため、海運会社が用意すべき強固な艦艇を、無責任に鑑定する番組。

『 世界の荒れ果てまでイッテY 』
観光客の激減で荒れ果てた観光地や世界遺産を、録画された過去のYouTube画像で偲ぶ番組。

『 ポツリと一間家 』
「家の間取りは一間(1.8m四方)です」と、ポツリと語る人の家に行き、ごく狭い家で三密で暮らせた時代の思い出をたどる、社会派番組。

『 新婚さんいらっしゃいましたか! 』
マスクが法律で義務化され、顔の上半分しか見えないことの不安から、若者の結婚願望が希薄になり、結婚式が激減した世界で、新婚カップルを探し出し、テレビを通じて全地球に知らせ、祝う番組。

これらの番組からも分かる通り、日本は、世界は、そして地球は、10年前から大きく変貌した。あのときの人類の判断、対処は正しかったのか、それはもう問うまい。

今人類は、月、または火星への移民に抽選で選ばれることを祈るばかりだ。なんせ、どちらの星でも、マスクなしで暮らせる、とのことだから・・・。


(※作者注:願わくばこのような未来になりませんように・・・)

【 勝手に大牟田弁講座 】(前)2020年05月28日 15時15分15秒

福岡県の最南端大牟田市には、同県の福岡市、久留米市とは異なる、また隣りの熊本県、対岸の長崎県の影響を受けた、独自の方言が存在します。その一部を紹介しましょう。

友達と家で遊ぶ話をしながら、『オィガアンタゲサンクーカ?』
 表記:「おぃがあんた家さん来ーか?」
 意訳:俺があなたの家に行こうか?
 語句:げ=家、さん=へ、来ーか=行こうか(私の方が来ようか、”来る”は”行く”の表現にも使われる)
※似た例で、ジャズナンバー「You'd be so nice to come home to」の”come~to”の訳は、「あなたの家に”行く=帰る”のはすてきだ」

料理の味見をしながら、『アラ~、オロカラカッタゴタル』
 表記:「あら~、おろ辛かったごたる」
 意訳:あら、ちょっと辛さ(塩味)が足りなかったようだ
 語句:おろ=より劣って(英語のlessに似た表現、おろよか=複合語で「悪い」)、ごたる=ようだ、”ごとくある”の変形

先生が生徒を整列させながら、『コンレツ、ヨガンドルヨ』
 表記:「こん列、よがんどるよ」
 意訳:この列、ゆがんでいるよ(真っ直ぐ並んでいないよ)
 語句:こん=この、よがむ=”ゆがむ”の変形(同様に”いがむ”の用例も各地にあり)

夕方遅く帰って来た子供を親が叱って、『ドコバサルキヨッタツネ』
 表記:「何処ばさるきよったつね」
 意訳:どこをうろついていたの
 語句:さるく=歩く(あてもなくウロウロと)、たつね=”ていたのね”の変形

上司の新築宅に招待され、家を見て、『コマカテオモトッタラ、フトカイエタイ』
 表記:「細かて思とったら、太か家たい」
 意訳:小さいと思っていたら、大きい家だな
 語句:細か、太か=”小さい”や”大きい”のサイズ表現にも使う

雨の中、自宅を出て隣町に着いたら、今は降っていないが地面が濡れているのを見て、『ココデンアメンフットルバイ』
 表記:「此処でん雨ん降っとるばい」
 意訳:ここでも(少し前に)雨が降っていたな
 語句:降っとる=降っていた形跡がある(過去完了)、なお、「降っている」(現在進行)は”振りよる”(例:曇っとるて思たら、もう雨ん降りよる)、ばい=だ、だな(断定の終助詞)

<お断り>
これらは超個人的(且つ旧世代的)解釈であり全大牟田人に共通するものではありません、あしからず・・・
次回(後)に続く