トロンボーン吹きの憂鬱 by キャバレーサウンドメーカーズ

＜創作ＳＦショートショート＞

【第一話・神々の嘆き】

Ａ：そろそろ見切り時かな。
Ｂ：あそこまで大きくするには、けっこう大変だったけどな。
Ａ：でも、あそこまでアホになる、とは思わなかったし。
Ｂ：アメーバ、というか、単細胞から育てたんだがなぁ。
Ａ：もったいない気もするけど、また最初から試してみるか。
Ｂ：そうだな、せっかく住みやすい星をあてがったのに、こんなに暑い星にしちまって。
Ａ：さて、別の銀河の星で育ててみるとするか、アメーバから人間までに。


【第二話・地底の嘆き】

Ａ：お前、さっき寝返りうったろう。
Ｂ：え、ちょっとだけだけど。
Ａ：バカだな、そのせいで大騒ぎになってんだぞ。
Ｂ；だって、おんなじ姿勢ってのも、けっこう辛いし。
Ａ：そりゃそうだけどさ、俺たちのちょっとした動きが、上じゃ大きく増幅するんだぜ。
Ｂ：わかってるよ、今度から気をつけるとして、お前は今からどこに行くんだ。
Ｂ：俺はユーラシアプレートだ、お前は太平洋プレートの方だよな。
Ａ：ああ、しかし、今の人間は信じちゃいないらしいぜ、俺たち「地震ナマズ」のこと。

そこで本日のひと言、
『話の命は短くて　苦しき言葉のみ多かりき』

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