『天災は忘れた頃な、やって来る』 ― 2022年12月23日 11時30分30秒
<SF・10年後のワクチン接種会場にて>
2032年の冬、港近くの倉庫で、あるワクチンの接種が行われていた、ちょうど100回目というが、人々はもう何回目なのか認識出来なくなっていた。
「やりたい人はやればいいんじゃない」的な雰囲気が蔓延していて、会場に人影はまばら、係の人たちも、手持ち無沙汰をごまかすように無意味にフロアを行き交う。
接種後の「様子見の時間」はあいも変わらずだが、緊張感はまるでなく、2030年サッカーで日本が準優勝した話、紅白歌合戦が無くなった話題などで時間を潰している。
「当初は公費で年3回だったのが、いまじゃ自費で月1回、たまりませんな」、「でも、人口14億人の国が5年で7億に半減したってえから、やっぱりやっとかないと」、「そうですな」。
接種を終えた人々は三三五五帰路についた、その道すがら目にするのは、「ワクチンを打ちてし止まむ」、「子供出産祝い金1000万円!」、などの古びたポスター。
そしてもう一つ、「あの時、あのタイミングでやっときゃよかったのに」の意味のことわざ、「ダイヤモンドプリンセスを忘れるな」、のポスターも、無人と化した街で風に揺れていた。
<終>
そこで本日の一言、
『天災は忘れた頃な、やって来る』
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2032年の冬、港近くの倉庫で、あるワクチンの接種が行われていた、ちょうど100回目というが、人々はもう何回目なのか認識出来なくなっていた。
「やりたい人はやればいいんじゃない」的な雰囲気が蔓延していて、会場に人影はまばら、係の人たちも、手持ち無沙汰をごまかすように無意味にフロアを行き交う。
接種後の「様子見の時間」はあいも変わらずだが、緊張感はまるでなく、2030年サッカーで日本が準優勝した話、紅白歌合戦が無くなった話題などで時間を潰している。
「当初は公費で年3回だったのが、いまじゃ自費で月1回、たまりませんな」、「でも、人口14億人の国が5年で7億に半減したってえから、やっぱりやっとかないと」、「そうですな」。
接種を終えた人々は三三五五帰路についた、その道すがら目にするのは、「ワクチンを打ちてし止まむ」、「子供出産祝い金1000万円!」、などの古びたポスター。
そしてもう一つ、「あの時、あのタイミングでやっときゃよかったのに」の意味のことわざ、「ダイヤモンドプリンセスを忘れるな」、のポスターも、無人と化した街で風に揺れていた。
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