『顔で笑って 心で泣い、ちゃいられない』2021年03月07日 11時00分00秒

昔在籍したキャバレーバンドのバンマスのこと。

ある日のステージ、バンマスのほっぺたの片側に、ガムテープが貼ってある。どうしたのかと聞くと、「顔のこっち半分が締まらんのよ」。

水を飲もうとしたら、自分では自覚がないのに、口からボロッと水がこぼれる。アレッ?と思って鏡を見ると、顔の半分がダラーッと垂れ下がっていた、とのこと。

今なら、ネットでどんな病気の症状なのか調べられるが、当時はそんな手段もなく、病院に行かなくてもそのうち治るだろう、ぐらいの感覚しかない時代だった。

キャバレーバンドは年中休み無し、ましてや、バンマス兼サックス奏者として休むわけにもいかず、息漏れを防ぐためにガムテープを貼っての演奏に。

今調べてみると、顔面麻痺という症状だったと思われる。突発性で、ウイルスなのか自己免疫低下なのか、はっきりとは原因が特定出来ないらしい。

結局、しばらくして自然治癒したらしく、顔からガムテープは無くなっていた。まったくもって、昔の人は根性があるというか、無神経というか。

別の人の話だが、寒い日に露天風呂に入って、顔の片側だけに冷たい風を浴びたら、同じ症状になった、という話も聞いたことがある。

楽器を演奏する者として、体調管理は基本。ましてや歳をとってからの体調不良は回復が難しい。ハメを外していい歳は、もうとっくに過ぎているし・・・。

そこで本日の一言、
『顔で笑って 心で泣い、ちゃいられない』