バンドマンの為の国語辞典(の)2018年05月09日 10時40分40秒


のう【脳】
神経の中枢器官。人間の場合は、楽器を演奏しながら、この後飲みに行く店、くどき文句、借金の言い訳、などを 同時に考えることの出来る思考器官。

のうのう【のうのう】
どんな 逆境の時でも泰然自若と構えている様子。ビッグショーでミスをした時、女房に浮気がバレた時、借金でドロンしている時などのバンドマンによく見られる様子。

のうがき【能書き】
元は薬の効能などを記した(誇大広告の)文書。転じて、口下手なバンドマンが自分の技量を棚に上げて言う美辞麗句。この場合は「能書きを言う」ではなく、上から目線で「能書きを垂れる」と表現する。

ノウハウ【know-how】
「特殊な技術や経験の情報」を意味するビジネス用語。バンドマンの知恵をさも偉そうに言う時の英語表現。

のけぞる【仰け反る】
驚いて体を後ろに反らせること。その際に「ゲー!」とか「ギョエー!」などの奇声を発することが多い。例として、
・買おうとした楽器の値段を一桁安く見誤っていたと知ったとき。
・演歌歌手の譜面が意外と難しかったとき。
・超高層ビルを見上げて田舎の高層ビルが実は低層ビルと知ったとき。

のしをつけてかえす【熨斗を付けて返す】
恩着せがましくくれた物を慇懃無礼に返すこと。バンマスから頂いた物を返すときのバンドの礼儀作法のようなこと。

のぞく【覗く】
高い場所から、隠れた場所から、見えそうでないものを、など、ただ見るのとは違って人を活発化させる不思議な効力を持つ視覚動作。ただし度が過ぎると犯罪になることもあるので注意が必要。

のだいこ【野幇間】
技量はないが祝儀だけは欲しい不正規の幇間(たいこ= ほうかん、たいこもち)。
落語「うなぎの幇間」
炎天下の通りで出会った、どこかで見かけたことのある(気がする)男にまとわりついて、 なんとかご祝儀をせしめようとする野幇間。「じゃ、鰻でも食うか」と誘われ、汚い鰻屋の2階で精一杯のオベンチャラを振りまきながら、 美味くもない鰻をほおばる。便所に席を立った男を待ちながらご祝儀のことを考えていたが、つまでも男が帰って来ない。店の者に聞くと、勘定を払わないで先に帰ったとのこと。 真っ青になり泣く泣く勘定を済ませ 店を出ようとするとボロ下駄しかない。「おい、俺のいい下駄は!?」「お連れさんが 履いていきました」
野バンドマンにとって教訓とすべき噺。

のたれじに【野垂れ死に】
看護もされず死ぬこと。バンドから見放されたバンドマンが人知れず死んでいる、といったことはよくある話。

のっとられる【乗っ取られる】
自分の支配下にあったものを他人に奪われること。バンドマ ン用語では「ケツをかかれる」。バンド社会でひんぱんに見かけられる現象。

のーといえないにほんじん【ノーと言えない日本人】
演奏の出来・不出来にかかわらず、プレーヤーが外国人ならノリまくっている日本人のような人。

のどからてがでる【喉から手が出る】
極度に欲っしている状況を表す言葉。バンドマンの場合は実際に手が出ることもある。その他にも、
・顔のパーツの中でも特に口が軽い
・パンダのように目を白黒させる
・顔から火が出てやけどをする
・二枚舌があってひんぱんに噛む
・現世にいても地獄耳
・プロ野球投手より手が早い
・白(シラ)をきっても腹が黒い
・体のパーツの中でも特に尻が重い
など、 バンマスには様々な身体的特徴がある。

のどもとすぎればあつさをわすれる【喉もと過ぎれば熱さを忘れる】
悪い意味でも良い意味でも、過去のことを参照しないときに発するひと言。例として、
・小籠包を食べたあとにひと言
・浮気が止まらない芸能人がひと言
・セクハラで追放された政治家が復帰でひと言
・返すあてはないけど金を借りられたときにひと言
など。

のばなし【野放し】
ステージの合間の休憩中にバンド部屋で焼肉をして、その煙で火災報知器が鳴って店が大騒ぎしている のに、それに気が付かないバンド、のように管理されず放置されている状態。(実話です)

のべじんいん【延べ人員】
複数回の客の入りを加算して、あたかも一回でその集客があったように発表する、興行主が よく使う客の数え方。

のべのおくり【野辺の送り】
互助会に入っていないバンドマンの寂しいお葬式。

のむ・うつ・かう【飲む・打つ・買う】
酒(を飲む)、博打(を打つ)、女(を買う)、のこと。 ただし、現代では内容が以下のように変化してきている。
1)バイアグラ(を飲む)、強壮剤(を打つ)、女房の不満(を買う)
2)糖尿病の薬(を飲む)、インシュリン注射(を打つ)、家庭の医学書(を買う)
3)嫁の意見(を飲む)、財産放棄(に手を打つ)、納骨堂(を買う)
4)末期の水(を飲む)、綺麗なお迎え(に手を打つ)、「三途の川」の渡し券(を買う)

のらねこ【野良猫】
可愛らしく鳴くと餌が貰える、ということを知っている、餌を与える人間より知能の高い猫。

のり【ノリ】
音楽の場において、大抵は演奏者の若さやルックスによって引き起こされる感情の高揚。

のんびり【のんびり】
バンドマン人生は永遠に続く、と思い込んでいるバンドマンの様子を表す言葉。

やりたいこと、か、やることになったこと、か2018年05月21日 23時59分59秒


もうすぐ古希になる、ボーッとしていたら歳をとるばかり。で、新しいことを始めることにした。

1)4Trombonesを始めてみる
今度で三度目のトライ。一度目は4番Tbがアメリカへ帰って消滅、二度目は4番Tbが病死で空中分解。今度は自分が原因にならないように気をつけないと。

2)演芸のグループに入会
以前に芸人登録してもらった会に誘われて入会することに。一匹バンドマンで通してきたが、誘われた以上はそういう縁があるのだろうと、流れに身を任せることにした。

自分のやりたいことをやる、のではなく、やることになったことが実はやりたいこと、なのかもしれないし。なにはともあれ、「古希高齢者」として頑張ってみるか・・・。

タイ・ギ・シン?2018年05月24日 11時11分11秒


さる感銘的な演奏会を聴きにいって感じたこと。

よく相撲道などで使われる言葉で「心技体」というのがある。しかし、これは到達した後で言える言葉で、その道のりは「体・技・心」だ、という感想。

まず体力をつける、次に技を磨く、そうした研鑽の結果心が宿る、つまり「体・技・心」。「心技体」の順番は、シンギタイ、という言葉のリズムからと思う。

その演奏会の奏者に感じたのは、体=スタミナ(2時間のステージの)、技=テクニック(客を喜ばす)、そして心=フィーリング(個性的な感性)。

ということで、古希後に「スタミナもテクニックも無いが、ハートだけは!」、という自己満足的な老ジャズマンにならないためにも、まだまだ「タイギシン」・・・。

バンドマンの為の国語辞典(は)2018年05月29日 15時15分15秒

バンドマンの為の国語辞典(は)

は【派】
考え方を同じくする人の集まり。キャバレーバンドではささいなことに関してでも派が存在する。
1.少額のビーナカ(差し入れ)の金について
  A.貯金しましょうや派
  B.今分けましょうや派
2.リハーサルについて
  A.シーメ(食事)食えるからYES派
  B.やるだけ下手になるからNO派
3.店のイベントでコスプレについて
  A.わし、そんなん好きや派
  B.チンドン屋じゃあるまいしわしゃ着らん派
4.店から「客が入ったら歌謡曲をやれ」に
  A.歌謡曲楽やわ~(笑)派
  B.俺のジャズ魂が~(泣)派
5.歌が下手な専属女性歌手について
  A.誰かなんとかせーや派
  B.俺がなんとかしたる派
など。どちらの派も考えはごく浅はか。

は【歯】
口の中にあり、笑った時にチラリと白く見えることで愛嬌が増す器官。ただし、最近は白過ぎて相手に恐怖感を与えることが多い。

はいしゃ【歯医者】
開いた口がふさがらない人を治療をする医師。

ハイテンション【High Tension】
音楽の場では自分の意志でなく周りに同調して起こることが多い高揚した感情。

ばかばっかり【馬鹿ばっかり】
バンマスがつぶやく言葉。この場合「ばっかり」の内容に2通りのパターンがある。
1.「馬鹿な事」の省略。
「明日休む?本気じゃないよね~もう、馬鹿ばっかり」
2.「馬鹿な者」の省略。
どうして「本番で間違うの~もう、馬鹿ばっかり・・・」

はきだめにつる【掃き溜めに鶴】
掃き溜めにとってはめったにない目の保養の状況。

ばけじゅう【化け十】
「にんさんばけしち(人間三分、化け物七分)」の上をいく「化け物十分」のこと。化け物に対しての最上級の誉め言葉のようだが化け物には使わない。

はじしらず【恥知らず】
恥という漢字を知らないで書けない人。そうならない為に日頃から恥をかくこと。

はしたがね【端金】
ごく小額と判断されるお金。小額の判断基準はその人の生活水準によって異なる。バンドマン生活には端金は存在しない。

はじのうわぬり【恥の上塗り】
ペンキと同様、恥も塗り重ねた方が厚く丈夫になってよい、 というバンドマンの知恵。

はためいわく【傍迷惑】
本人が自覚しないのに回りに迷惑をかけること。パッケージショーの演奏中に「おい、今どこや?!」と聞いてくるバンマスの行為のようなこと。

ばちあたり【罰当たり】
いつかは天罰が下るような悪事のこと、また、そのような悪事を行っている者。
米俵に腰掛けて休んでいる水戸黄門
店に足を向けて寝ているバンマス
楽器ケースをテーブルにして博打 をしているバンドマン
スネアドラムに自分のイチモツを載せてロールを叩き「あー気持ちが いい!」と言っているドラマー
のような者達。

ばちがい【場違い】
その場にそぐわないこと、またその行為。葬式でのバカ騒ぎ、バンド部屋での真剣な練習、など。

8020運動【はちまるにまる運動】
「80歳まで20本、自分の歯を残そう」という、厚生労働省がすすめて いる運動のスローガン。歯より命を残す方が先決な人には無関係。

はちゅうるい【爬虫類】
「バンマスは、自分を爬虫類にたとえたら何だと思います?」

ハッタリ【はったり】
バンドマン用語で は「タリハツ」。いきなり相手に先制攻撃を喰らわせ、相手がビックリしている間に 足元をすくうという、「張り手」と「とったり」を組み合わせた高度な技。

ハッピーバースデイトゥユー!【happy birthday to you!】
ケネディ大統領の誕生日にマリリンモンローが色気たっぷりに歌い、アメリカの歴史が変わった歌。

ばてばて【バテバテ】
疲れ切った様子を表す語。「ばてる=疲れ果てる」の「ばて」を重ねて意味を強調したもの。モテモテ(もてる)、ノリノリ(乗る)、バレバレ(ばれる)、カミカミ(噛む) なども同様。但し、「オレオレ」はこの部類には含まれない。

はむ【ハム】
一般的には高級ハムのこと。バンドマンには「○○のハム・ソーセージ」のハムの こと。

はんかつう【半可通】
中途半端な知識しかないのに物事に精通しているつもりの人。
「彼女~、このホテル、BGMにズージャー流してるんだ。やっぱズージャーは、ウエスタンコーストのハードバップに限るね、ボーコンもいいけど、 やっぱ5人のカルテットがいいな。16小節のブルース、最高。 そういえば最近、ビッグフォー、テレビに出ないね、いいバンドなのに。
そうそう、こないだ、ミジンコ研究家の坂田としお、サックス吹いてたけど、けっこう 上手かったよ。でもサックスはやっぱ、アベサダだね。それと、ラッパーはヒノテルコ。
最近は「ウオーターガールズ」の影響で若い人もズージャー聴くらしいよ、「心中の首下がり」とか「茶色の尿瓶」とかのグレンミラーものなんか。あ、ちょっとボーイさん、マイルス・デービス・ジュニアの「クールの誕生日」かけてくれる? え、置いてない?なんでかなー。

はんしはんしょう【半死半生】
立ちっ放しライブの2回目ステージ後半のバンドマンの様子。

はんしんはんぎ【半信半疑】
右手では握手し左手では眉に唾を塗っている状態。

はんていまけ【判定負け】
「まあまあ、二人とも、夫婦喧嘩は犬も喰わないって言うから。で、喧嘩の原因は?ふんふん・・・ そりゃ熊さん、お前さんが悪い。」

はんのうはんぎょ【半農半漁】
田舎のキャバレーのバンドマンの就業状態。

はんめんきょうし【反面教師】
「ああならないように」と手本にする人。バンドマンでも先生として世の中の役に立つということを表す言葉。