バンドマンの為の国語辞典(と)2018年03月05日 21時10分10秒

<と>

ど【ど】
名詞や形容詞の頭に付けて、程度が強いことを表わす語。
<例>
「じゃ、初めから行こか」、「え、初めって、どこ?」「と゛アタマ!」
ただし、「ど」という発音の持つ雰囲気に あわせて正しく使うこと。
「ど演歌の祭典」、「ど素人のど自慢大会」、「ど田舎へ行こう!」、など、使用方法によっては心証を悪くすることもあるので使う場所をわきまえること。

ど【度】
守るべき基準、適正な値のこと。
(例)
「ステージ上で度外れな大声を出すな」
「ステージ上でのジョークも度が過ぎると怒るぞ」
「ステージ上で飲酒の量、度を越してるぞ」
「ステージ上で調子に乗り過ぎて度を失ってるんじゃない」
のように使う。

どうも【どうも】
バンドマンが「おはようございます」以外に言える、もう一つの挨拶。バンドマンはこれを、 微妙なイントネーションで使い分ける。
1.トラで来た人との上下関係がわからない時、「どうも・・・(誰?)」
2.無断欠勤した次の日にバンド部屋に入る時、「・・どうも(へへ)」
3.ミスがバレているか、バンマスに探りを入れる時、「どうもー(アレ?)」
4.美人のホステスから「よろしく」と声をかけられた時、「・・・どうも(ヒヒヒ)」
5.ジャーマネに、厭々ながら礼を言う時、「どーうもっ(フン)」
ニュアンスが分からない人は、一度バンド部屋に来て、聞いてみるとよい。なお、 その時は「ドーモー」と言いながら入ること。

ときめき【ときめき】
異性に会う時に、喜びや期待で胸がドキドキすること。(夫や妻に会う時に 胸がドキドキするのは「ときめき」ではなく「動悸」なので、早めに健康診断を受けること。)

どくがく【独学】
ある分野を究めるのに師やコーチを持たず、また会やクラブなどに属せず自力で習得すること。真っ直ぐ延びた舗装道路の横にある、曲がりくねってデコボコな道、のような習得方法。

どくぜつか【毒舌家】
体全体に毒が充満しており、言葉を発するたびに舌の先から毒を発する人。ふぐと同じで自分にはその毒は作用しないので始末が悪い。

とくばいび【特売日】
バンドマンの妻が珍しく朝早くから起きている日。

どくりつさいさんせい【独立採算制】
離婚寸前のバンドマン夫婦が家計を別々にしているような状況。

とけいまわり【時計回り】
「時計回りが、右回りか左回りか解らん?」「はぁ、ずっとデジタル時計なんで・・・」

どげざ【土下座】
日本に古来から伝わる謝罪の姿勢の一つ。地面にひれ伏し、相手の顔を見ないで済みかつ最上級の詫びをしているように見える、 簡便で効果のある謝罪の姿勢。慣れないうちは抵抗があるが、一度やると快感になる。ただし、 無防備の体勢なので、踏んだり蹴ったりされないよう注意が必要。

とこじょうず【床上手】
男が思い憧れる、女の特技。(「布団をたたむのが上手なこと」ではないので、意味もわからず 不用意に人前で用いないこと。)

ところばらい【所払い】
悪いことをしたバンドマンを地域から締め出して地元のキャバレーで働けなくすること。

どさくさまぎれ【どさくさ紛れ】
混乱に乗じること。嫌なことをさっさと終らせたい時に、バンマスやジャーマネがとる常套手段。

とっかんこうじ【突貫工事】
短期間に全力でする工事。
「あと10分しかないけど、ショーのソロ、大丈夫か?」
「今、練習してます!」

とどのつまり
魚のぼらは成長するにつれ名前がかわり、最後に「とど」になることから「結局のところ」の意味。すぼらな女が結婚して名前がかわり最後は「トド」に似ることから「結局のところ」、ではない、念のため。

とばっちり【とばっちり】
飛び散ってふりかかる水、転じて、周りにかかる迷惑。
例)「ラッパのAがドロンして、次に来たBがいい加減で、トラのラッパのCがアホ、ラッパ吹きなんて世界中にまともな奴は一人もおらん、どうせ、お前もそうだろ!」

とびこみえいぎょう【飛び込み営業】
事前の連絡なしに訪問して営業活動すること。「チワー、ラッパ吹き要りませんか。品行方正、悪癖なし、初見OK、ハイトーンもよう出るし、それに今ならなんとバンス不要!」

とみ【富】
バンドマンにとって一番縁のうすい漢字。

どろ【泥】
土と水がほどよく混ぜ合わさった混合物。泥沼から汲んでくる。世話になった人の顔に塗る、互いの顔に塗り合うゲームもあり「泥試合」と呼ばれる、もっと水を加え 「泥水をすする」こともある、これで作った棒は「泥棒」、これ で作った縄は「泥縄」、どちらも警察で扱っている特産品、酒に混ぜて飲んでもよいが飲み過ぎると「泥酔」する。

ドンカマ【ドンカマ】
業界用語で、メトロノームやデジタル式リズムマシンのような、リズムの拍だけを刻む機器のこと。 バンド関係者、特にリズム隊が、テンポを確認する時に使用する。
<問題>ドンカマの語源は次のうちどれか。
a.これさえあれば「ドンと構えて」リズムが刻めるから。
b.「ドンドン、リズムが来る(カム)」から。
c.「鈍感でリズムに構わない」奏者のための機器だから。
d.「ドンカマチック」という、ふざけた名前の機器から。

答はd.
コルグ社の初期リズムマシン「ドンカマチック」という機器の名前から。その命名の由来は、バス ドラムの「ドン」、クラベスの「カ」、オートマチックの「マチック」の組合わせ(コルグ社ホー ムページより)。これが後世「ドンカマ」という業界用語になろうとは。

どんかん【鈍感】
感覚が鈍いこと。バンドマンにとって生活では善、音楽では悪という両面性を持つ感覚。

とんし【頓死】
突然死ぬこと。
「バンマス、田舎の親父が突然死んだと連絡がありまして、明日休みを・・・」 「あんたのお父さん、よう突然死ぬなあ、今年で3回目やで。たまには、ゆっくり死なしたりー」

トンチンカン【頓珍漢】
脳ミソのネジがはずれたバンドマンの頭の中で響く金属音。

とんてんかん【トンテンカン】
落語「紀州」で、尾州(尾張)公が紀州(和歌山)公との将軍跡目争いの場に行く途中で聞いた 鍛冶屋の槌(ツチ)音。行きはには「テンカヲトル、天下を取る」と聞こえ、跡目争いに負け帰るときも「テンカヲトル、天下を取る」と聞こえる。「紀州公が断るのか?」と思ったら、鍛冶屋が真っ赤に焼けた刀を水に浸けると「キシュー(紀州)!」
何事も自分の都合のいいようにとるお調子者バンドマンへの教訓の逸話。