続けている事が好きな事・・・2018年03月01日 01時10分10秒

毎年行っている「酒造りの会」が、今年で20周年になる。

元は酒造場と3店の酒屋が始めたイベントで、6月に田植え、10月に稲刈り、翌3月にその米で造った新酒を楽しむ、途中の煩雑な作業は現地の方任せ、という、けっこうお気楽な会。

それでも、それを20年続けるとなると、主催者や関係者の尽力はそう簡単ではない。参加者も20人から100人超に、会の創設者二人が途中で亡くなったりした。

その会の手伝いとして、広報チラシ作り、大人用子供用のゲームや景品の手配、新酒の会での自身の演奏やバンドの調達など、20年。そして、今年もその季節になった。

それが嫌いではない、そういえば自分を納得させる貧乏バンドマンを続ける言い訳を思い出した、「人は好きな事を続けるのではない、続けている事が好きな事なのだ」・・・もうしばらく頑張ってみるか・・・。

バンドマンの為の国語辞典(と)2018年03月05日 21時10分10秒

<と>

ど【ど】
名詞や形容詞の頭に付けて、程度が強いことを表わす語。
<例>
「じゃ、初めから行こか」、「え、初めって、どこ?」「と゛アタマ!」
ただし、「ど」という発音の持つ雰囲気に あわせて正しく使うこと。
「ど演歌の祭典」、「ど素人のど自慢大会」、「ど田舎へ行こう!」、など、使用方法によっては心証を悪くすることもあるので使う場所をわきまえること。

ど【度】
守るべき基準、適正な値のこと。
(例)
「ステージ上で度外れな大声を出すな」
「ステージ上でのジョークも度が過ぎると怒るぞ」
「ステージ上で飲酒の量、度を越してるぞ」
「ステージ上で調子に乗り過ぎて度を失ってるんじゃない」
のように使う。

どうも【どうも】
バンドマンが「おはようございます」以外に言える、もう一つの挨拶。バンドマンはこれを、 微妙なイントネーションで使い分ける。
1.トラで来た人との上下関係がわからない時、「どうも・・・(誰?)」
2.無断欠勤した次の日にバンド部屋に入る時、「・・どうも(へへ)」
3.ミスがバレているか、バンマスに探りを入れる時、「どうもー(アレ?)」
4.美人のホステスから「よろしく」と声をかけられた時、「・・・どうも(ヒヒヒ)」
5.ジャーマネに、厭々ながら礼を言う時、「どーうもっ(フン)」
ニュアンスが分からない人は、一度バンド部屋に来て、聞いてみるとよい。なお、 その時は「ドーモー」と言いながら入ること。

ときめき【ときめき】
異性に会う時に、喜びや期待で胸がドキドキすること。(夫や妻に会う時に 胸がドキドキするのは「ときめき」ではなく「動悸」なので、早めに健康診断を受けること。)

どくがく【独学】
ある分野を究めるのに師やコーチを持たず、また会やクラブなどに属せず自力で習得すること。真っ直ぐ延びた舗装道路の横にある、曲がりくねってデコボコな道、のような習得方法。

どくぜつか【毒舌家】
体全体に毒が充満しており、言葉を発するたびに舌の先から毒を発する人。ふぐと同じで自分にはその毒は作用しないので始末が悪い。

とくばいび【特売日】
バンドマンの妻が珍しく朝早くから起きている日。

どくりつさいさんせい【独立採算制】
離婚寸前のバンドマン夫婦が家計を別々にしているような状況。

とけいまわり【時計回り】
「時計回りが、右回りか左回りか解らん?」「はぁ、ずっとデジタル時計なんで・・・」

どげざ【土下座】
日本に古来から伝わる謝罪の姿勢の一つ。地面にひれ伏し、相手の顔を見ないで済みかつ最上級の詫びをしているように見える、 簡便で効果のある謝罪の姿勢。慣れないうちは抵抗があるが、一度やると快感になる。ただし、 無防備の体勢なので、踏んだり蹴ったりされないよう注意が必要。

とこじょうず【床上手】
男が思い憧れる、女の特技。(「布団をたたむのが上手なこと」ではないので、意味もわからず 不用意に人前で用いないこと。)

ところばらい【所払い】
悪いことをしたバンドマンを地域から締め出して地元のキャバレーで働けなくすること。

どさくさまぎれ【どさくさ紛れ】
混乱に乗じること。嫌なことをさっさと終らせたい時に、バンマスやジャーマネがとる常套手段。

とっかんこうじ【突貫工事】
短期間に全力でする工事。
「あと10分しかないけど、ショーのソロ、大丈夫か?」
「今、練習してます!」

とどのつまり
魚のぼらは成長するにつれ名前がかわり、最後に「とど」になることから「結局のところ」の意味。すぼらな女が結婚して名前がかわり最後は「トド」に似ることから「結局のところ」、ではない、念のため。

とばっちり【とばっちり】
飛び散ってふりかかる水、転じて、周りにかかる迷惑。
例)「ラッパのAがドロンして、次に来たBがいい加減で、トラのラッパのCがアホ、ラッパ吹きなんて世界中にまともな奴は一人もおらん、どうせ、お前もそうだろ!」

とびこみえいぎょう【飛び込み営業】
事前の連絡なしに訪問して営業活動すること。「チワー、ラッパ吹き要りませんか。品行方正、悪癖なし、初見OK、ハイトーンもよう出るし、それに今ならなんとバンス不要!」

とみ【富】
バンドマンにとって一番縁のうすい漢字。

どろ【泥】
土と水がほどよく混ぜ合わさった混合物。泥沼から汲んでくる。世話になった人の顔に塗る、互いの顔に塗り合うゲームもあり「泥試合」と呼ばれる、もっと水を加え 「泥水をすする」こともある、これで作った棒は「泥棒」、これ で作った縄は「泥縄」、どちらも警察で扱っている特産品、酒に混ぜて飲んでもよいが飲み過ぎると「泥酔」する。

ドンカマ【ドンカマ】
業界用語で、メトロノームやデジタル式リズムマシンのような、リズムの拍だけを刻む機器のこと。 バンド関係者、特にリズム隊が、テンポを確認する時に使用する。
<問題>ドンカマの語源は次のうちどれか。
a.これさえあれば「ドンと構えて」リズムが刻めるから。
b.「ドンドン、リズムが来る(カム)」から。
c.「鈍感でリズムに構わない」奏者のための機器だから。
d.「ドンカマチック」という、ふざけた名前の機器から。

答はd.
コルグ社の初期リズムマシン「ドンカマチック」という機器の名前から。その命名の由来は、バス ドラムの「ドン」、クラベスの「カ」、オートマチックの「マチック」の組合わせ(コルグ社ホー ムページより)。これが後世「ドンカマ」という業界用語になろうとは。

どんかん【鈍感】
感覚が鈍いこと。バンドマンにとって生活では善、音楽では悪という両面性を持つ感覚。

とんし【頓死】
突然死ぬこと。
「バンマス、田舎の親父が突然死んだと連絡がありまして、明日休みを・・・」 「あんたのお父さん、よう突然死ぬなあ、今年で3回目やで。たまには、ゆっくり死なしたりー」

トンチンカン【頓珍漢】
脳ミソのネジがはずれたバンドマンの頭の中で響く金属音。

とんてんかん【トンテンカン】
落語「紀州」で、尾州(尾張)公が紀州(和歌山)公との将軍跡目争いの場に行く途中で聞いた 鍛冶屋の槌(ツチ)音。行きはには「テンカヲトル、天下を取る」と聞こえ、跡目争いに負け帰るときも「テンカヲトル、天下を取る」と聞こえる。「紀州公が断るのか?」と思ったら、鍛冶屋が真っ赤に焼けた刀を水に浸けると「キシュー(紀州)!」
何事も自分の都合のいいようにとるお調子者バンドマンへの教訓の逸話。

バンドマンの為の国語辞典(な)2018年03月08日 23時59分59秒

ないしょく【内職】
バンドマン用語ではショクナイ。 本業以外で収入を得るための、補助的な仕事。「内・職」には、以下のような意味合いを含む。
1ナイ緒でやるショク
2)ナイ容より金が優先のショク
3)ナイ心イヤでもやるショク
4)ナイ臓が痛くなることもあるショク
5)女房にはこつそり稼いだ金を渡さナイショク

ないないづくし【無い無い尽くし】
さまざまなことに何もないこと、また、ないことを強調する慣用句。
<例>
ないないづくしのバンドマン、力もなければ金もない、
飲み会なんぞは行く気もない、ワリカンだったら楽しくない、
ついては行くけど気がノラない、乾杯音頭に唱和しない、
そのくせ食欲底がない、酒飲み出したら遠慮がない、
女に対して節操ない、色気のブレーキもうきかない、
延々セクハラ止まらない、他人の説教聞く耳ない、
お開き過ぎても席立たない、足元フラフラおぼつかない、
レジではロレツが回らない、ホンネは勘定払う気ない、
トイレに隠れて姿がない、会計済むまで戻らない、
文句を言われて「面目ない、今度は俺が」は本気じゃない、
タクシー乗ったら「小銭がない」、家に着いたら戸が開かない、
女房はグッスリ起きてこない、トイレの窓から入るしかない、
フトンに入るなり意識がない、翌朝女房は愛想がない、
なんでか理由が分からない、昨日のことなど覚えてない、
いつのまにやら友もない、それでも生きるにゃ困らない、
反省・後悔辞書にはない、そんな生活やめる気ない・・・

ないものねだり【無い物ねだり】
諦めることを知らないバンドマンが生涯繰り返す哀しい行為。

ないらん【内乱】
「お前ら、どうしてバンマスの俺が出したテンポに合わせんのや!?」

ながいき【長生き】
長く生きること。金も向上心もないバンドマンが送る悲哀に満ちた人生。

ながしめ【流し目】
視線を動かしながら相手を意味ありげに見ること。主に女性が使う自己アピールのための高等テクニック。ただし、下手にやると「目、 どうかしたの?」と聞かれる。

ながす【流す】
「熱意のない演奏」の偽装表現。

ながったらしい【長ったらしい】
必要以上に長いこと。演奏者自身も終わりたいのに、なかなか終わらないアドリブ、のようなもの。

なかなおり【仲直り】
諍いしていた相手と和平的な交流を取り戻すこと。バンドマンにはこの考え方が無いため、いったん仲違いすると生涯折り合うことがない。

ながれさぎょう【流れ作業】
泡のように現れては消える商業用音楽の製作から廃棄までの過程。

なぐさめる【慰める】
傷心の相手を癒すこと。恋愛感情と取り違えやすく、Pity is akin to love(可哀想とは惚れたということ)という諺の通り、用心しないとたとえばバンドマンと専属女性歌手の関係のように、誤解に満ちた恋愛関係になることが多い。

なせるはあらぶのだいとうりょう【ナセルはアラブの大統領】
「為せば成る、為さねば成らぬ、何事も、成らぬは人の、為さぬなりけり」という言葉の、 後半部分に使うダジャレ。古いバンドマンが使っても若い者には意味不明。

ななころびやおき【七転び八起き】
不屈の行動や精神を表わす諺。バンドマンにとっては「七回転んだら起きるのも七回じゃない?」という屁理屈の諺。

なにわぶし【浪花節】
浪曲師が三味線にのせて義理人情をテーマにして語る古典的な語り物。バンドマンの場合は三味線(口車)にのせて同情心を得るために騙る古典的手法。

なみだきん【涙金】
わずかな金額のこと。キャバレーで長年勤めたバンマスやジャーマネにごくまれに支払われることがある悔し涙の報償金の額。

なみだぐましいどりょく【涙ぐましい努力】
傍で見ている人が涙が出るほど大変な努力、または、涙が出るほど可笑しいという努力。
バンドマンを例にとると、
・給料を一晩で使ってしまったラッパ吹きの言い訳
・ニコチン中毒サックス吹きの「煙草は有用だ」という力説
・通風トロンボニストの「ビールは通風の原因じゃない!」という反論
・アル中ピアニストの演奏中の隠れ飲酒
・浮気性ベーシストの家への直帰
・恐妻家ドラマーの浮気の際の行動の作り話

Tbスライドを気にする憂鬱2018年03月12日 23時08分43秒

長らく使った(20数年)バック16にトラブル!あるライブハウスでは、フロントメンバーの一番端っこが定位置だが、そこは店のカウンターテーブルの真ん前。そのカウンターに思いっきりスライドをぶつけてしまった。

そんなことが起きる原因、それはアドリブ中の視線。一般的にアドリブの最中に奏者はどこを見ているのか?ジャズ雑誌などを見ると、譜面でもなく、指先でもなく、客席でもない、しいて言えば虚空を見ている、もしくは目を閉じている、ことが多いようだ。

アドリブを紡ぐ作業は、過去の集大成作業でもあり、元メロデイとバッキング演奏の絡み合いから新しいものを生み出す瞬時作業でもある。虚空を見たり目を閉じたりするのは、その作業に身を置くのに外界から遮断する為の、脳の防衛本能かもしれない。

ということで、スライドの歪みは修理から戻ってきたが、アドリブ中に目を閉じて吹く感覚は戻ってこない(ついチラ見してしまう)。カウンターや、客や、譜面台にスライドが当る、その恐怖感、憂鬱感は、ラッパ吹きやサックス吹きには、分からんだろうなぁ・・・。

新解釈/ことわざ・慣用句の用法事例集2018年03月19日 15時20分20秒

バンドマンによる新しい解釈のことわざ・慣用句の用法事例集です。(ただし、この用法を参照したために起こるトラブルに関しては一切関知しません)

【悪事千里を走る】(悪いことはすぐ世間に広まる)
バンドマン:「社長、長らく顔を見なかったけど、どっかに行ってたんですか」
社長:「ちょっとレコ(彼女)と、ヨーロッパの方に4000Kmの旅にな」
バンドマン:「4000キロというと、昔で言えば千里か、まさに『悪事千里を走る』ですね」

【頭の蝿も追えぬ】(自分ひとりの始末もまともに出来ない)
バンドマン:「あ、バンマス、頭に蝿がとまってます、けどシーメ(食事)中なんで、『頭の蝿も追えない』状態、ですね」

【一難去ってまた一難】(期せずして悪いことが次々と起こる)
バンドマン:「バンマス、二人目のお孫さんだそうですけど、どっちだったんですか」
バンマス:「一男一女といきたかったが、二人目も男だった」
バンドマン:「そうですか、『一男去ってまた一男』ですね」

【同じ釜の飯を食う】(長い期間一緒に食事をした親しい仲)
ホステス:「バンマス、あたし一度オカマバーに行ってみた~い」
バンマス:「そうか、じゃ今から一緒に行こう」
ホステス:「わー、じゃ私たち、『同じカマの飯を食う』のね」

【鬼の目にも涙】(普段は無慈悲な者が珍しく涙を見せる)
バンマス:「う~、この寿司、えらくワサビがきいてるな」
バンドマン:「そうですか?あ、ホント、『鬼の目にも涙』だ」

【枯れ木も山の賑わい】(役に立たないものでも無いよりまし)
バンドマンA:「先輩、今日合コンなんすけど、ちょっと顔出してもらえません?」
バンドマンB:「えー俺が?人数合わせなんだろ」
バンドマンA:「はい、『枯れ木も山の賑わい』です」

【犬猿の仲】(お互いに生来性分が合わず仲が悪い)
バンドマン:「今年は戌年か・・・バンマスは干支は何です?」
バンマス:「俺か、俺は戌年」
バンドマン:「へー、年男ですね。奥さんは?」
バンマス:「カミさんは、猿、だったかな」
バンドマン:「へぇーじゃ二人は『犬猿の仲』なんだ」

【五十歩百歩】(優れていると威張っても実は少ししか差がない)
バンマス:「最近の若いやつは上手いから、俺ももっと練習せんといかんな」
バンドマン:「何をおっしゃいますか、バンマスの方が倍は上手い。あいつらを50とすると、バンマスは100!あついらとバンマスとは『五十歩百歩』ですよ」

【尻馬に乗る】(節操なく他人の言動に同調する)
バンマス:「人に薦められて乗馬健康法の器具を買ったけど、あれ使い始めて から、ものすごく体調がいい」
バンドマン:「へぇー、そうですか。じゃ毎日『尻馬に乗っている』んすね」

【善は急げ】(善い事をするときは躊躇せずに行え)
バンドマンA:「バンマスがカイワーのチャンナオン(若い女)と飯食ってたぞ」
バンドマンB:「へー、じゃ、急いで奥さんに教えてやろ」
バンドマンA:「そんなに急がんでも」
バンドマンB:「いやいや、『膳は急げ』と言うから」

【大器晩成】(真の大物は成長は遅いが時間をかけて大成する)
バンマス:「あいつ、とうとう、下手のまま死んでしもたな」
バンドマン:「ホントですね、最後まで『大器晩成』のままでしたね」

【一寸先は闇】(今はよくても先々では何が起こるかわからない)
バンマス:「あ、停電!この店、よう停電するな」
バンドマン:「ホント、真っ暗で何も見えん。この店、『一寸先は闇』やな」

【豚に真珠】(物に価値があるのにその持ち主が不釣合いに劣る)
バンマス:「店員さん、うちのカミさん太ってるけど、この真珠のネックレス、似合うと思う?」
店  員:「はい、それはもう。昔から『豚に真珠』って言いますから」

一幕芝居 「神々の深き悩み」2018年03月22日 16時30分30秒


一幕芝居 「神々の深き悩み」
<出演>
恵比寿、大黒天、毘沙門、弁天、布袋、福禄寿、寿老人の七神

<幕が開く。神社の奥まった板張りの広間に、七柱の神様が輪に なって座り酒宴を開いている。いろんな酒のビンやカンが用意され、神様の前には盃が置いてある。長時間の酒盛りで、全員がかなり酩酊している>

恵比寿:「おーい、みんな飲んでる?・・・ジャンジャン飲んでよ。 正月、人間どもの勝手な願いを聞くんで大変だったんだから、今日ぐらい飲まなきゃ、ね。 ちょっと、そこ何もめてんの、え、大黒は帽子を取らないから失礼だ?しょうがないでしょ、制服だから。おや弁天様、いつもお綺麗でいらっしゃる。ちょっと踊って みせて、ち・や・う・だい・な~、なーんてね。」
毘沙門天:「おい恵比寿、そりゃセクハラだぜ。だいぶ酔ってんじゃねえか」
弁天:「いいんですのよ。それより布袋様、奉納の時の音楽、お聴きになりました?」
布袋:「音楽っていうと?」
毘沙門天:「そうだ、ラジカセだった。神様を迎えるのにCDにラジカセってのはねえだろ。 俺ぁ、槍で突き刺してやろうかと思った!」
福禄寿:「おいおい、乱暴はいけねえが、それにしてもCDとはな。昔なら考えられない」
寿老人:「ありゃなにかね、雅楽の生演奏を出来る人間がいなくなっちゃった、ってことかね」
福禄寿様 「そうでしょうねえ。雅楽の楽器てのは、そんなに難しいのかね」
弁天:「その原因というのが、友達の伎芸天様が言ってたんですけど、近ごろの人間は、音感がおかし くなってるんですって」
大黒天:「へー、音に対して鈍くなったとか?」
弁天:「それが逆ですって。ほら、ピアノって、人間が作った楽器がございますでしょ」
大黒天:「ああ、白と黒の鍵盤が並んでるやつ」
弁天様 「ええ、あんなふうにきちんと並んだ音程の感性しか無くなってるってことらしいの」
毘沙門天:「ふーん、よく分かんねえな」
恵比寿:「つまりだ、音ってのは無限の広がりを持っているのに、それを下のドから上のドまでの間隔を12の音に固定しちゃった、てことだよね、弁天様」
毘沙門天:「おい、恵比寿、俺は弁天様に聞いてんだよ。横から口挟むねえ」
恵比寿:「なんだと毘沙門。そういやお前、さっき俺の鯛の半身食いやがったろ」
寿老人:「二人とも止めなさい。なるほど、固定された音しか使わなくなったから、ピアノの音階に無い日本古来の音程が理解できない、ってことか」
大黒天;「そやけど、地方の音楽なんかには、まだまだ自由な音感が残ってまっせ」
毘沙門天:「そういや、ジャズのブルーノートも、出来立てのころは微妙な感覚の音だったよな」
恵比寿:「そうそう、マイナーとメジャーの中間のような、あの微妙なブルース感覚が、 なんともいいんだよな。特にトロンボーンのかもしだすブルーノート、たまらんなあ」
毘沙門天:「わかってるじゃない恵比寿様、おーい、恵比寿様にもっとエビスビール持ってきて」
布袋:「ピアノはブルーノートはどうするんでっか」
弁天:「例えばミとミの半音下がりをいっしょに弾いたり、ずらしたりして出すらしいんですの」
寿老人:「ほんに、あのころのジャズのサウンド、懐かしいわい」
弁天:「もっと自由な音感が、人間に戻るとよろしいんですのにね」
恵比寿:「じゃ、二次会はジャズライブハウス『ANOYO』にしましょうか。えーと、ライブの予定は・・・サッチモのラツパに、デュークエリントンのピアノか。 ん?・・ヒノテル、ナベサダ?あれ、この二人まだ現役でしょ?」
弁天:「よく見てくださいまし。右肩に『近日来演』って 書いてございますでしょ」
恵比寿:「あ、ホントだ、ハハハ・・・。じゃ皆さん、ライブハウスでもうひと盛り上がりしましょうか」
全員「いいねえ、行こう行こう」

<立ち上がった神様たちの姿が少しずつ薄くなっていき、やがてスーッと消える。後には広間の静寂さが残り、ゆっくりと幕が降りる>

春のクイズ大会 私は誰だ?2018年03月29日 11時11分11秒


<春のクイズ大会 私は誰だ?>

問題1 私は誰だ?
ヒント1.私は1816年にドイツで生まれた。
ヒント2.私は時間の正確さに関して異常に神経質だ。
ヒント3.私は仕事をするとき首を左右に振るクセがある。
ヒント4.最近はデジタルってやつに仕事を奪われて仕事が減った。
ヒント5.練習のときの演奏のテンポには私が不可欠だ。
私はダ~レだ?

問題2 私は誰だ?
ヒント1.私はキス魔だ。
ヒント2.相手の唇に合わせて幾つものパターンを持っている。
ヒント3.それなのに堅い性格で冬には「冷たいやつ」とまで言われる。
ヒント4.ボクシングやラグビーの同名の奴らとは関係ない。
ヒント5.私がいないと金管楽器の演奏家は商売あがったりだ。
私はダ~レだ?

問題3 私は誰だ?
ヒント1.私は怖いことが好きだ。
ヒント2.悪いことも大好きだ。
ヒント3.月に行ったことはないが月を歩くことが出来る。
ヒント4.もうこの世にはいないのに今だに大金を稼いでいる。
ヒント5.民主主義の国アメリカ出身なのに「King」と呼ばれている。
私はダ~レだ?

問題4 私は誰だ?。
ヒント1.私は暗い舞台で活躍する。
ヒント2.主役ではないのに時には主役より有名になることがある。
ヒント3.舞台で私を見ることは出来ないが聞くことは出来る。
ヒント4.60歳を過ぎると1000円割引料金でその舞台で私に会える。
ヒント5.ジャズ演奏家が好み「酒バラ」とか有名なやつが多数いる。
私はダ~レだ?

問題5 私は誰だ?
ヒント1.私たちは双子でいつも一緒にいる。
ヒント2.ラテン系のノリが大好きで歯切れの悪いのは大嫌い。
ヒント3.仲間には丸い体型や細い体型のやつがいる。
ヒント4.カラオケ店では歌っていない人と遊んでいることが多い。
ヒント5.遊んで振られて「チッ、チッ」と言うのが二人の口癖。
私はダ~レだ?

<答>
問題1.
メトロノーム
(または首を振る癖のある時間にうるさいドイツ人の指揮者でも正解)
問題2.
金管楽器のマウスピース
(または和田アキ子でも正解)
問題3.
マイケル・ジャクソン
(または自分は王様で月に行ったことがあるという妄想癖のある今は亡き金持ちのアメリカ人でも正解)
問題4.
映画音楽
(またはストリップ劇場のバックミュージックでも正解)
問題5.
マラカス
(または遊び好きでよく振られるラテン系のノリの双子でも正解)