バンドマンの為の国語辞典(て)2017年12月11日 11時11分11秒

ていしせい【低姿勢】
小言や苦情の「口撃」を回避するための前屈みの姿勢。体の柔らかいバンマスやジャーマネが得意とする姿勢。

でいすい【泥酔】
酔いの段階のうちで、ほとんど意識が無い状態。酔いの意識の段階は、
1.微酔、半酔・・・意識がある
2.大酔、泥酔・・・意識がかすかにある
3.沈酔、昏酔・・・意識が無い
4.宿酔(二日酔い)・・・意識が戻っている
の4段階に分類出来る。
バンドマンは全ての段階でステージに 立たなければならない、過酷な職業である。

でがらし【出涸らし】
エキスが出てしまった後の残り物。「枯れた音」と本人は思っている練習不足の老バンドマンの音、のようなもの。

できだかばらい【出来高払い】
「あの、トラ代が、約束より少ないんですが・・・」「ああ、ミスった分引いてあります」

テクニック【technique】
技巧、技術のこと。楽器演奏のテクニックには、次の2通りがある。
1.早い運指や高音域を演奏する、派手なもの
2.細やかに感情表現を演奏する、地味なもの
1、2を持つ演奏家は天狗になりやすく、1を持つ演奏家は自己満足に陥り易く、2を持つ演奏家は自己陶酔に陥り易く、1、2とも無い演奏家には客が来ない。

てっぽうだま【鉄砲弾】
外出したが最後、本番直前になっても戻ってこないバンドマンのような人。行った場所によって、パチンコ屋の場合は「鉄砲玉」、野球観戦の場合は 「鉄砲球」、女の所の場合は「鉄砲女(タマ)」、墓参りの場合は「鉄砲霊」、のように漢字を書き変える。

てぬき【手抜き】
本来やるべき作業をやらないこと。リハーサルを吹く真似で済ます、高音を一オクターブ下げる、複雑な音符を簡素化する、アドリブをパスする、など、バンドで日常的に行われている省エネ作業。

でぱーと【デパート】
庶民に手の届かない物を品揃えする、安売りをしない、俗世間的なものを扱わない、など、バンドマンにとって虚栄の塊にしか見えない商業施設。

でばかめ【出歯亀】
明治時代の変質殺人者・池田亀太郎のあだ名。転じて一般的な変質者を表す言葉。出っ歯の人にとっても、亀にとっても、迷惑千万な言葉。

てまえみそ【手前味噌】
1.「自分で作った味噌が一番うまい」と自慢すること。
2.「ステージ手前に置いた味噌が演奏で腐らない」と自慢すること。

でまかせ【出任せ】
アドリブ習得期における、初期段階の形態。

てみやげ【手土産】
ちょっとした土産。バンドを移る際に持っていく、前にいたバンドの内輪もめの話、辞めたがっているメンバーの情報、バンマスのゴシップ、こっそりコピーした楽譜、など。

てもとがくるう【手元が狂う】
「演奏をミスった」を文学的に表現する言葉。

テレビ【television】
あらゆる情報を、好むと好まざるとに係わらず人々に拡散させた、20世紀最良にして最悪の発明品。

でんたく【電卓】
計算に弱い者でもジャーマネになることを可能にしたデジタル機器。

てんとうむしのサンバ【てんとう虫のサンバ】
チェリッシュ(男女ペア)が歌った歌謡曲で、
・結婚式以外の場所ではムシ
・元はデュエット曲なのはムシ
・下手でスベって転倒してもムシ
・音符の多い面倒な曲なのはムシ
・女性は虫嫌いが多いのに歌詞が虫だらけなのはムシ
・「サンバ」という曲名なのにサンバじゃないのはムシ
という、「ムシ」の運命を背負った曲。

てんどん【天丼】
海老の天麩羅を乗せタレのみで味付けした丼。卵でとじてないのにカツ丼より高いという不思議な丼。

てんばつてきめん【天罰覿面】
悪いことをした報いが必ず身に降りかかってくること。「ザマあ見ろ」を歪曲に表現した言葉。

ボントロ女子の悩み相談 -なにぃ、高い音を出したいだって?2017年12月25日 23時23分23秒

生徒:ねぇねぇ先生、高い音を簡単に出せる方法、教えてちゃぶだい。
先生:(ちゃ、ちゃぶだい?!)ふーん、どうして高い音を出したいの?
生徒:どうしてって、先輩け落としてトップ(1st奏者)目指すんだったら、高い音出せないと困るじゃん。
先生:(下克上か!)あのね、ちょっと吹けるようになると、すぐ高い音を出したがるけど、まず大切なのは、音色に対してのイメージを持つことなの。
生徒:音色?へー、赤とか青とか黄色とか。
先生:そうじゃなくて、楽器の音の、明るさ・暗さ、柔らかさ・堅さ、丸い・鋭い、きらびやか・渋い、とかの、音の持つ個性のこと。そして音色こそ、演奏する人が心がけないといけない重要ポイントなの。高い音も低い音も音色あってこそ、なのよ。
生徒:ふーん。じゃ、トロンボーンの音色って、どんなのがあるの。
先生:例えば、
   ▽クラシック:荘厳、華やか、力強い、落ち着いた、まとまりのある
   ▽ジャズ  :エッジの効いた、渋い、まろやか、哀愁のある
   ▽ラテン  :華やか、きらびやか、鋭い、色気のある
生徒:でも、その違いって、どこからくるの?
先生:そこなのよ。
生徒:どこなのよ。
先生:混ぜっ返さない。大きく分けて二つあるわ。
   1.楽器によるもの
    ▽楽器メーカーによる・・・音色の傾向や楽器のランク
    ▽ボア・サイズ(管の太さ)の違い:MS(ミディアムスモール)、M(ミディアム)、L(ラージ)
    ▽マウスピースの構造の違い
    ・リム(ふち):狭い/広い、平ら/丸い
    ・バイト(リムの角)→鋭い/丸い
    ・カップ(内側)→深い/浅い、U型/V型
    ・スロート(カップの喉の部分)→細い/太い
    ・バックボア(筒の部分)→細い/太い
   2.奏者によるもの
    ▽タンギングに対する意識の違い(マルカート型とアクセント型)
    ▽音の終止に対する意識の違い(ピアノ型とオルガン型)
    ▽歯や唇の形状などの個人の身体的違い
生徒:え゛~っ、そんなにいろいろあるの。ヘンタイ、じゃなくて大変、どうすんべえ。
先生:そうね、まずは自分なりのイメージを持つこと。いろんなジャンル、いろんな奏者の演奏を聴いて、この音好き、とか、こんな音出したい、とか思うことね。
生徒:ふ~ん、じゃパパに言って、楽器屋にある楽器全部と、マウスピース全部と、いろんなトロンボーンのCD買ってもらおっと。先生さよなら~。
先生:(・・・こりゃもう一つ、奏者の性格、ってのも追加したほうがいいな・・・)