バンドマンの為の国語辞典(せ)2017年10月02日 22時25分24秒

せいあくせつ【性悪説】
自分以外の人間は生まれながらにして悪人だという考え方。

せいぜんせつ【性善説】
自分だけは生まれながらにして善人だという考え方。

せいきょういく【性教育】
学校教育科目のうちで教育方針、先生、生徒において、理論と実践が最もちくはぐな科目。

ぜいきん【税金】
民衆から搾取する公金。「税金を集める人の、税金を集める人による、税金を集める人のため」に使われるお金。

せいさくはっぴょうかい【制作発表会】
子供がどんな物を作ったか、及びバンドマンがどんな子供を作ったか、を見てもらう発表会。

せいじんくんし【聖人君子】
1.高貴で立派な人。
2.野望も執着心も無い無味乾燥な人。
2.「聖人(まさと)」と「君子(きみこ)」という男女の名前。

せいふく【制服】
集団におけるお揃いの服。バンドでは私物化できないように思いっきり派手にする。また、安物の生地で作り、汚れてもクリー ニングに出さないことで「場末のバンド」の雰囲気をかもす。

せきにんしゃをだせ!【責任者を出せ!】
従業員などがミスを犯したときに客が叫ぶ抗議のパフォーマンス。 ただしこの場合、責任者が出て来ると本気で思ってはいけないし、責任者も本気で出て行かないのがマナー。

せけんてい【世間体】
一般社会の人がどう見るかという社会評価のこと。これを気にしているようでは清く正しいバンドマンにはなれない。

せけんばなし【世間話】
演奏の途中、ステージ上で演奏者同士が意味ありげに話している内容の大半。

せじ【世辞】
このさき上達する見込みのない年上の奏者に向って年下の奏者が心を込めて言う 慰めの言葉の数々。

せんきょく【選曲】
演奏する曲を決めること。自分たちのやりたい曲をやるか、客受けする曲をやるか、ステージでバンマスが一番頭を悩ませる作業。

せんち【センチ】
トロンボーン奏者・トミードーシーの名演で知られる「I'm Getting Sentimental Over You(センチになって)」の略称。高い音域を甘く、ソフトに表現しなければならない難曲。 原曲のキーDをCやB♭に下げて演奏しても罪悪感を感じなければ、もうあなたはレジェンド。

せんどうおおくしてふねやまにのぼる【船頭多くして船山に登る】
リーダーシップを取る者が多くて、または責任を持ってリーダーシップを取る者がいなくて、グループ全体の方向性が定まらないこと。
「おい、この曲のコーダ、どうするんだっけ?」
「 アタマからritでしょ」
「違うよ、2小節インポテンツで3小節目からritよ」
「え?ritは無しだろ?」
「俺のは、アタマ2小節エンピツで消してある」
「え、 カット?」
「違う、ラッパは休みになった」
「ボントロはもともと休み」
「休みの人はいいから!ベース、どうなってる?」
「俺、いつもタイコに合わせてる」
「えー!じゃ、タイコはどうなってンの?」
「え、どの曲?」
「人の話聞いとかんか!最後から2番目の曲」
「すみません、ターウのジャーマネです。さっきリハでやった最後から2番目の曲、あれ、カットにしました~」

せんとるいすぶるーす【セントルイスブルース】
マサチューセッツ州に本部を置く「アメリカ・セントルイスブルース協会」は、落語家・ 林家木久蔵氏の「イヤンバカーン、そこはおへそなの、アハーン」という替え歌に対して、 同氏をセントルイスブルースの名誉を著しく侮辱した「名誉毀損罪」で訴えるかどうか を、目下検討中とのことである。なお、同協会の英語名称は、USA St.Louis blues Organization 、 略してUSO(ウソ)である。

せんべいぶとん【煎餅布団】
元は厚くて軟らかだったものが、圧力や湿気で薄く硬くなった布団のこと。安価な布団にすぐ買い換える現代において貴重な日本文化遺産。

まず弱るのは歯・目・○○・・・2017年10月05日 23時59分59秒

カミさんが白内障の手術を受けた。

肩が凝る、見えづらい、精神的に落ち込む、などの日が続いて、近所の眼科に行って検査したら「白内障です、よくここまでほっとけましたね」と。

すぐ手術の出来る病院を紹介してもらい診てもらうと、早めに手術したほうがいいとのことで、いろいろな検査を受けて、数日後には手術の執刀。

手術の次の日、なにげなくテレビを観ていたら「今日の健康・白内障について」という番組が放映中、なんというタイミング!というか偶然というか。

おかげで白内障が他人ごとではないことを理解した。初見の譜面の場合とにかく音符がはっきり見えないと、そして長く吹き続けるには健康が一番。そこで本日の教訓、

【目には芽を、歯には葉を】
※(目には緑色のやさしいものを、歯(食べるもの)には野菜を)

バンドマンの為の国語辞典(そ)2017年10月09日 23時59分59秒

そあくひん【粗悪品】
品質が極めて悪い品物や作品。次から次へと機械的に生み出され世の中へ送り出される音楽作品の数々などのこと。

そういくふう【創意工夫】
独創性を増すための工夫、または、人真似だと見抜かれないようにする努力。

そうおん【騒音】
自分以外の人や機器が発する音楽。

そうがんきょう【双眼鏡】
両眼で遠くを見ることの出来る望遠鏡。子供のころから男が本能的に「欲しい」と思う道具のひとつで、「双眼鏡を欲しい」 と思う度合いによって、その男の「少年度」を計ることができる。

そうしき【葬式】
イベント主体の本人が生きて参加出来ない人生最後のイベント。バンドマンの場合、自分がメインキャストなのに、自分で進行することもできなければ、 演奏ギャラを貰うことも出来ないなんとも腹立たしいイベント。

そうしきがえり【葬式帰り】
葬式が終った後、故人の悪口を言ったり、大声で笑ったりして厄を払う時間帯。場所は江戸 時代は遊郭であったが、現代ではこじんまりとファミレス。

そうしそうあいのなか【相思相愛の仲】
お互いが想いあっていること。メンバー不足のバンマスと仕事が無いバンドマン、のような関係。

そくし【即死】
初見の楽譜を見たとたん、臨時記号の多さ、テンポの速さに、イッパツで諦めてしまうこと。「秒殺」とも言う。

そこそこ【そこそこ】
予想以上なので驚いている、ということを悟られないための歪曲表現。
・「今度の新人さん、いい音しとるな」「ふん、そこそこ」
・「この前のショクナイ、ラーギャよかったらしいね」「ま、そこそこ」
・「あいつのチャンカー、美人やな」「まあ、そこそこ」
・「俺って性格悪い?」「ん、そこそこ」

そこなし【底無し】
バンドマンによくみかけられる、食欲、飲酒欲、性欲、遊興欲、おしゃべり欲、 説教欲、などの度合いが並外れていること。

そしてだれもいなくなった【そして誰もいなくなった】
バンドを縮小したら、客が減り、ホステスさんが減り、客の購買欲が減り、店の売り上げが減り、結局店が潰れて、世の中からバンドマンがいなくなった、という実話。

そしょく【粗食】
貧乏バンドマン推薦する、簡単に出来る食事ダイエット法。

そそっかしい【そそっかしい】
性格がせっかちで行動に深謀遠慮がないこと。
・追い越し禁止の道路でパトカーを追い越した
・不注意で京都御所の非常ベルを鳴らした
・自分の車に似た他人の車に乗り込んで中の子供を泣かせた
・路線バスのつもりでスクールバスに乗って(やけに学生が多いな?)
のように、危なっかしいがどこか愛嬌のある行動。
(上記は実話)

そでのした【袖の下】
(下)心のこもったお金。

ソロ【solo】
有れば気が滅入る、無くても気が滅入る、という不思議な感情を引き 起こす演奏指示。

バンドマンの為の国語辞典(た)2017年10月12日 11時00分44秒

たいがんのかじ【対岸の火事】
自分に影響が及ばないところで起きるトラブルや不運な出来事のこと。「他人の不幸は蜜の味」という、人類が根底に持つ精神性を表す言葉。

たいきばんせい【大器晩成】
将来見込みのない奏者に対して発する、慰めを含んだ誉め言葉。

たいしょう【大将】
1.全軍を指揮・統率する人、転じてその場での一番偉い人。近年では「シャチョサン~」とも言う。「大将、ご機嫌すね、ちょっと寄っていきません?」「大将?誰が 大将だ、オレがいつ戦争に行った~!」(古今亭志ん生のくすぐり)

ダ・カーポ【da capo】
曲の途中から一番最初に戻れという指示。酔っぱらいの話が延々と繰り返される元となる記号。

タキシード【tuxedo】
バンドマンの作業服。黒黒蝶ともいう。ニューヨーク州タキシード公園にあった会員制 クラブの服だったことからこう呼ばれる。時折ボーイと間違えられるのが欠点の服。

ただ【只】
隠語で「ロハ」、無償、無料のこと。「もらう」、「安い」と共にバンドマンの好きな言葉トップスリー。

ただざけ【ただ酒】
無償で振舞われる酒。銘柄や等級に関係無くバンドマンが一番美味いと感じる酒。

たまげる【魂消る】
魂が消えるほど驚くことから、非常にびっくりすること。「ラッパのあいつ、 玉取っておカマになったげなばい」「ひゃー、たまげた!」

たまよけ【弾除け】
自分に降り掛かる災難を他に向けさせるための人や物。「バンマス、用事って何スか?」「ナニ、今からフロアマネージャーに謝りに行くんだけど、 いっしょに来て」

たゆまぬ【弛まぬ】
「弛む」=油断する、の否定語で油断のないこと。バンドマンの場合「弛まぬ努力の甲斐 も無く」のように二重否定で用いることが多い。

たらいまわし【盥回し】
バンドマンの得意な曲芸のひとつ。「皿回し」と異なり、決して自分のところへは落さないという芸。バンドマンの得意な曲芸としては他に、
「綱渡り」・・・ヒヤヒヤしながら生きる芸
「自転車操業」・・・倒れたら終わり、の生活を倒れずに送る芸
「腹芸」・・・腹の中に一物を持っている芸
「化け物使い」・・・世間の魑魅魍魎をあやつる芸
「丸投げ」・・・非難を浴びずに責任を回避する芸
「石頭」・・・他人の忠告や意見に惑わされない芸
「雲隠れ」・・・借金や非難から無傷で逃れる芸

たりゅうじあい【他流試合】
「遊ばせてください」と言いつつ内心は命懸けでよそのバンドで演奏すること。

だんがいぜっぺき【断崖絶壁】
バンドマン生活の背後にある、落ちたら這い上がれる見込みのない崖。

たんき【短気】
気が短い性格。気長の反対。これに「強気・弱気」という性格を加えてマトリックスにした場合、キャバレーのビッグショーで面倒な譜面をもらうと、
  1.短気で強気 |2.気長で強気
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  3.短気で弱気 |4.気長で弱気

1.短気で強気
  「こんな難しい曲?!もってくる方が悪い!」(逆ギレ)
2.気長で強気
  「こんな難しい曲?!練習するからギャラあげて」(ケツまくり)
3.短気で弱気
  「こんな難しい曲?!間違えても俺のせいじゃない!」(逃げ)
4.気長で弱気
  「こんな難しい曲?!調子が悪いからお前やって」(他人まかせ)

たんしんふにん【単身赴任】
「仕事」という大義名分で妻としばし別々に暮らせること。

タンバリン【tambourine】
叩いている人はやかま しくないのに、周りの人はやかましい、という、カラオケ屋に常備されている不思議な打楽器。

カミさんの入院でのひとコマ2017年10月19日 23時59分59秒

とうとうカミさんがダウンして入院ということになった。

顔の色が真っ白で、歩くのもままならない状態になり、病院の先生の「明日検査しましょう」という言葉に、カミさんが「このまま入院したい」。

結局、そのまま入院の手続きをし、着替えとかバタバタ家に取りに帰り、どんな費用でどんな待遇なのかも知らないまま4人部屋に入室。

その病院でのこと、CTスキャンが終わり車椅子で待っていると、看護婦さんが近寄ってきてひと言、「ごめんなさい、お待たせして。もうすぐお迎えが来ますよ~」。

病室へ運ぶお迎えのことだが、それにしても、「お迎えが来ます」、って病院では禁句、じゃないの?それとも病院の常套ジョーク?看護婦さんの言葉に、ついツッコミたくなったひとコマ・・・。

バンドマンの為の国語辞典(ち)2017年10月23日 21時55分55秒

ちい【地位】
社会の中で占めている位置や位。“金”の対極にあってバンドマンにとって「実態のない価値」の最たるもの。
「地位と金だったらどっちを取る?」「そりゃあ“地位”」「どうして?」「“地位”があれば、“金”が思いのまま」

ちがいほうけん【治外法権】
所属する組織の権限が及ばない優遇された立場。「店の偉いさん」の子供がバンドマンになってバンド内で好き勝手に振舞ってもバンマスが叱れないようなこと。

ちからまかせ【力任せ】
体を鍛えることを目的とした楽器の演奏方法。音楽を体育系の活動と思っている 学校のサークルで見受けられる。

ちくでん【逐電】
バンドマン用語で「ドロン」。バンド全員の給料や他人の楽器などを持ち逃げして行方をくらますような行為。

ちしきとちえ【知識と智恵】
他人の提供する情報から得るのが知識、その情報を元に自分自身の力で得るのが知恵。
1)楽譜を読めるのが知識、それを自分流に解釈して演奏出来るのが知恵。
2)金をうまく貯めるのが知識、その金を有効に使うのが知恵。
3)浮気がバレるとヤバいと知っているのが知識、バレないようにやるのが知恵。
4)酒は百毒の長だと意見するのが知識、酒は百薬の長だと言いくるめるのが知恵。

ちじょ【痴女】
男性が一度は出会ってみたいと願う女性。

ちーた【チータ】
水前寺清子のニックネーム。歩く時に「3歩進んで2歩さがる」という非効率的な歩き方を することで有名な演歌歌手。

ちつじょ【秩序】
ジャズをつまらない音楽にするための理論的拘束。

ちみもうりょう【魑魅魍魎】
人間社会に住み着いている妖怪や化け物などの総称。人間に姿を変えて「政治家」、「慈善家」、「バンマス」、 「ジャーマネ」などと名乗っていることが多い。

ちゃらんぽらん【チャランポラン】
楽器の音色のオノマトペ(擬音語)。バンドマンが得意とする打楽器、「ワカラーン」、「シーラン」、「ゴマカス」、「アヤ・フヤ」、などの楽器が発する音色。

ちゅうかんさくしゅ【中間搾取】
店からバンドマンに支払われる賃金を途中でジャーマネがこっそり上前をはねるような行為。

ちりとてちん【チリトテチン】
知ったかぶりをする者を懲らしめようと、 腐った豆腐を「長崎名産・チリトテチン」と称してペテンにかけて食べさせる、という内容の上方落語、江戸落語では「酢豆腐」。よそのバンド部屋で知らない食べ物を出されたらむやみに手を出すな、という教訓の落語。

ちりめん【縮緬】
1)縮れて柔らかい感触を持つ布地の一種。
2)縮れていやらしい感触を持つビブラートの一種。ビブラートの基本(かけるスピード、幅、強弱、音色)を無視して微細に音を揺らすだけのビブラートのこと。バンドでは「あいつアドリブはいいけど、メロディは吹かせられん、チリメンだから」、のように使う。